K I R I
 — 2022年 4月号

共通テスト国語について

共通テストが二年目を迎えようやくそのスタイルが固まったようではあるが、二回のテストを終えてなかなか手強いというのが正直なところである。

国公立大学入試改革の一環として共通一次試験が始まったのは、それまでの一期校・二期校の試験制度が終了した1979年。共通一次試験ははじめて全国一斉テストとして実施され、以来センター試験と名を変えながらも2日間で原則5教科7科目の統一テストが40年の長きにわたって続いてきた。それを大きく変革しようとしたのが今回の共通テストで、当初は英語民間試験の導入や記述式問題も盛り込もうという「意欲的」なものであったが、結局そうした「意欲的」な改革は断念せざるを得なかった。とはいえ、出題の形式や狙いはこれまでとは少し異なるものとはなっている。難易度が大きく変わった教科もあれば内容的、点数的にあまり変わっていない教科もあろうが、ここでは国語に限定してセンター試験と共通テストで変わった点を見ておこう。

出題の変化

試験時間や問題数は基本変わっておらず、大問は現代文が評論と小説の計2題、古文、漢文が各1題であるが、大きく変わったところもある。

国語での改革点としては、記述式の導入、複数資料による出題、実用文の読解などがあった。ただ、記述式の導入が土壇場になって中止されたことは記憶に新しいところである。(現場の意見としては中止は当然であり、そもそも教科の内容も現場の状況も全く分かっていない「素人」の暴論であった。)また実用文の読解も共通テスト本番では全く出題されておらず、結局複数の資料による出題という改革点だけが共通テスト国語の唯一の目玉として残った。(実用文の読解を評論の読解より優先させては、そもそも本末転倒であろう。)

図表

現代文では、平成29年から実施された試行問題で写真や図表・グラフを使った問題が出題され、図やグラフを含んだ文章が出題されるのではと予想されてきたが、実際の本試験の出題では文章のみの問題であった。とはいえ、複数の資料を用いた出題という基本路線は守られて、今年の第1問(評論)では2つの文章を並べて読み取らせたり、昨年の第2問(小説)では本文の小説に加えてその批評文を読解させたりしている。また昨年は評論の読解に小説を引用したり、今年は小説の読解の中で俳句を引用したりして様々な出題の工夫がみられる。

試行試験を含め4回の出題すべてが、出題スタイルを変えてきていることから、来年度どのような問題形式で出されるのか未知数ではある。とくに、小説では試行試験で詩やエッセイの読解が出題されたこともあり、準備としてはさまざまな作品の読解を演習すべきであろう。

図表

古典についても、複数の資料をもとにした出題がさまざま試みられてきた。古文は、第1回試行試験では3つの古文の文章を並べて読解させたり、第2回試行試験では本文は1つではあるものの、小問の中に別の古文や和歌の引用があり結局複数の文章を課していた。共通テスト本番になって、昨年は小問に和歌の引用だけで済んだのだが、今年は本文として文章が2つ並べられ、まさに複数資料の出題であった。古文においても形式はまだ定まっていない。今後も一つのパターンには決めないのかもしれない。

漢文も同様にさまざま試みられてきた。第1回試行試験では文章と漢詩が、第2回試行試験では漢文の現代語訳と別の漢文の文章が出題された。共通テスト本番では、昨年は漢詩と漢文が1つずつ、今年は漢詩とその序文が出題された。漢文は文章と漢詩のセットが一つのスタイルに定まりつつあるようにも見える。

いずれにしても、センター試験のように一つの文章に対して何か所か傍線が付されてそれについて問われるといったシンプルな問題ではなくなった。「思考力」を問うというのが大命題であるので、さまざまな角度から考えさせようという手の込んだ出題が共通テストという新テストである。それゆえ、受験生の側もさまざまな形式の問いに慣れておく必要がある。読解力さえあればどんな問題でも解けるだろうと思われるだろうが、共通テストは(そもそもセンター試験の時からそうであるが)時間との勝負という色彩が強い。出題スタイルや問題形式に慣れておくことは、実戦においては必須だと考える。