K I R I
 — 2021年 1月号

共通テストとその入試状況

明けましておめでとうございます。年明け早々、コロナ下で政府に対し東京都と隣接3県は非常事態宣言を要請しました。大変な時期ですが、体調に気をつけながら、自分のペースで着実に受験力を高めていってください。がんばれ、受験生。 いよいよ入試の季節に入ります。共通テストに関する入試状況を概括しておきます。

受験人口は本格的な減少期に入ります。大学受験者数は、今後、毎年2万人以上のペースで減少していきます。大学入学者の定員を下回る数字です。ここ数年、定員超過是正で難化してきた2018年度、2019年度入試から受験環境は一変し、徐々に競争緩和の方向へ進んでいきます。ただし、これからは総合型・学校推薦型の募集人員が増え、一般入試の募集枠が狭まることも考えておく必要があります。

今年からセンター試験は共通テストに切り替わります。

  • 出題の基本線
    センター試験 ⇒ 共通テスト
    高等学校段階における基礎的な学習の達成度の判定 ⇒ 思考力・判断力・表現力を発揮して解く問題を重視
    教科書に準拠した内容を出題 平均点は6割となるように作問 ⇒ 社会・日常生活の中から課題を発見し解決法を構想する場面、資料やデータ等を基に考察する場面など、学習過程を意識した場面設定を重視 平均得点率が5割程度を想定。
  • 英語
    筆記200点、リスニング50点 ⇒ リーディング(従来の筆記)で、発音、アクセント、語句整序などを単独で問う問題は出題しない。結果として読解問題だけの問題構成である。リーディングとリスニングの配点比は1対1で各100点。ただし、各大学で配点比が異なる。国公立大では1対1、4対1での利用がそれぞれ約3分の1を占める。私立大では、1対1が約7割を占めている。私立大ではリスニングの成績利用が増加。リスニングを利用しないのは、センター試験時の32%から19%に減少。
  • 数学①の試験時間
    60分 ⇒ 70分 (記述をどうするかは今後の課題)
  • 現国
    評論、小説など文学的な文章 ⇒ 論理的文章、文学的文章、実用的文章
  • 理科②
    選択問題を出題 ⇒ 選択問題は設定しない
  • 成績提示
    各教科1点刻みで合計点で提供 ⇒ 各科目別の成績は素点とは別に9段階の段階別表示を各大学に提供


全統(河合塾)共通テストからみた受験生の解答状況

3回にわたり実施した全統共通テスト模試の解答・成績状況から、差がついたと感じられる点を報告しています。カッコ内は高木のコメントです。

  • 読解力の訓練の有無(高3受験生にとっては今さらどうにもならないかもしれませんが、現高2生以下の生徒は日ごろから心がけておくことです。論理的な思考力を鍛えておくにこしたことはありません。)
  • 問題文から必要な情報を読み取り、解答につなげることができているか(センター試験のころから、相変わらず情報処理能力重視のテストになっています。制限時間内で手際よく処理できるかどうかが合否をきめます。)
  • 本文中にある会話や文章から解答のヒントを見つけられているか(この辺りは、共通テストの新傾向です。出題形式に慣れておくことが必要です。)
  • 知識の丸暗記ではなく、理解したうえで知識を整理できるか(とくに社会科系の問題に言えることです。歴史の流れなど、今まで以上に歴史的理解が求められることでしょう。今後、記述式設問が登場すると一層こうした学習が求められることになります。)
  • 解答に至る過程が複雑な時、頭の中をきちんと整理して、それぞれの段階を1つ1つこなしていくことができているか(いわゆる複眼的な理解力が問われる。作問者の腕の見せどころです。)
  • (理科他)実験データから思考・考察すること、複数の資料を読み合わせて解答を導き出せることができるか(思考力が問われる。)
  • (数学他)グラフや図を自ら的確に書き表すことができているか(思考力と構想力が問われます。)

〇具体的に見てみると、第2回模試の英語リーディング第5問では、全体の正答率が約30%で、上位層(75,5%)と下位層(18.0%)の差が大きかった。また、第1回模試の第3問の古代の信仰と精神生活を問う問題でも、問4では上位層(75.2%)と下位層(17.7%)で大きな差が出ていた。得点分布で、大きな二つの山ができそうな気配です。

〇共通テストの第1日程は1月16日17日ですが、受験申込者数は531,118人、第2日程は1月30日31日で789人でした。結果的には第2日程は意味がなかったかもしれません。当初から公平性の点からも批判の多かった措置です。

今年も、茗渓予備校では共通テストをもとにリアル模試と解説を予定しています。現高2生以下の皆さんも早めの対策を立てておきたいものです。