K I R I
 — 2022年 5月号

夏に向けて成績を上げるためのチェックポイント

茗渓予備校では例年新受験生たち、将来の受験生たち、そしてその保護者たちを対象とした大学受験のための説明会を「春の大学受験セミナー」と称して行っていました。しかし残念なことに2020年春以降は新型コロナの蔓延のためにそれも中止を余儀なくされてきました。今年度もまだ完全には新型コロナの流行の収束を見通せるとは言えない状況であるため、ここでは毎年説明会で触れてきた成績を上昇させるために必要と考えられることをいくつか挙げて、日々の学習の際の参考にして頂きたいと思います。

成績を上げるには2つのPと2つのQが大切

学校の定期試験や模擬試験でなかなか良い結果を出せないでいる生徒の方たちの予備校での学習を見たり、家庭での学習の様子を伺うと、以下に述べる2つのPと2つのQのどれか1つまたは2つ以上が学習の際に欠けていることが多いです。2つのPとはPlan(計画)とPractice(実践)、そして2つのQとはQuality(質)とQuantity(量)のことです。今回は紙面の都合により2つのPについてお話させて頂き、2つのQについては次号で説明したいと思います。

2つのP(計画と実践)をセットにして学習

学習計画を立てただけで、それを実際に行動に移さなければ(実践しなければ)、当然のことながら学習にはなりません。また、まったく計画性を持たずにある科目の勉強をしていて狭い範囲にあまりにも深入りしすぎたために、その科目の試験日に間に合わなければ努力の成果が表れないということにもなりかねません。やはり、学習する際には計画と実践の両方のバランスをある程度取ることが大切になってきます。以下に計画と実践について少し説明します。

A.計画

毎日ある科目の勉強だけを長時間すれば、いずれその科目の成績は上昇することでしょう。とは言え、置き去りにされた他の科目の成績はどうでしょうか。バランスよくどの科目の試験でもある程度の成績を収めようとすれば、やはり学習計画はあったほうがよいでしょう。今までほとんど時間を割いてこなかった科目で定期試験で結果を出せていない科目がある場合は、まずは1週間のうちでこの曜日のこの時間帯は必ずその科目の勉強をするといった程度でもよいのでぜひ計画を立てて実行に移してみてください。学習計画が短期的なものか中・長期計画になるかはこれまで志望校に合格した先輩たちの間でも好みが分かれています。まずは1週間の学習計画(短期計画)を立てて実践する中で自分に合ったかたちにしていくのがよいでしょう。少し慣れて、定期試験での成績上昇を念頭に入れた計画を立てる際には、少なくとも1か月単位(中期計画)のものを立てるようにしましょう。

B.実践

実はこれが一番難しいのかもしれません。ギリシャの哲学者プラトンの残した名言に(英語版でご容赦ください)、“The first step is always the hardest.”というのがあります。直訳すれば「最初の一歩がつねに一番難しい。」意訳だと「始めは全体の半ばである。」になります。昔からものごとは開始するのが大変だったということですね。だからといって受験生の皆さんはそこで納得して終わりにするわけにはいきません。最初は短時間でもよいので、毎日「××のあとには必ず数学の問題を2問解く」とか、「××をする前には必ず20分だけ今日習った英単語を見直す」などのルールを決めて(大変かもしれませんが)実践するようにしてください。一回目の学習を開始できさえすれば、次回に学習を開始をしやすくするちょっとしたコツがあります。これは個人的に身につけたものですので全員に当てはまるかは分かりませんが、試してみて損はないでしょう。ある範囲の学習を仮に1時間したときに、その最後のところで次に予定している学習範囲の出だしのところを少しだけ勉強しておくのです。最初の説明を読むだけでもよいですし、小問を数題解くのでもよいです。そうしておくと不思議と次回に勉強をするときにスムーズに開始できるような気持ちになります。私はこれを“One-Step-Ahead System”(1歩先に進んでおくシステム)と勝手に名付けて、私個人の英語以外の語学の学習時やスポーツの練習時に実践するように心がけています。よろしかったら試してみてください。

C.計画と実践のバランス

計画を立てた後にある単元の学習をするわけですが、「学習」とは単に教科書を読んだり、そこにマーカーで線を引いたりして終了するものではありません。学習計画の中にぜひ読んだり、書いて覚えた範囲、つまりインプット(input=情報の入力)した情報をテストする時間、情報をアウトプット(output=情報の出力)する時間を設けるようにしてください。そして覚えていたはず、または解けていたはずなのに正確にアウトプットできなかった部分を次回の学習計画の中に必ず入れるようにしてください。このようなやり方は、企業などの品質管理や業務の改善のために広く取り入れられている「PDCAサイクル」という考え方に似ています。このサイクルは最近は少し古いという方々もいますが、成績を上げる学習のあり方を考える上ではいまだに参考になります。参考までに図を載せてお きます。学習計画を立てる際にご利用ください。

図表