K I R I
 — 2021年 11月号

来春の入試動向

2022年度の大学入試の受験環境と河合塾の第2回共通テスト模試に基づく志望動向を見てみたいと思います。これらは全体の流れを見るものであり、受験生は個々の志望大学の各種模試による合否判定を慎重に検討する必要があります。また、難関私立大学はもとより国公立大学においても、二次の個別試験の得点率が合否を左右するものであることは言うまでもありません。当予備校においても、これからの最終盤において過去問演習などでどこを強化したらいいのかベテラン講師陣が丁寧に個別指導していきます。現役生は受験当日まで学力が伸びていきます。入試本番まで、第一志望にこだわって努力を継続してください。私の長い受験指導において、本番が終わったその日に持ち寄った入試問題を一緒に解きなおし、次の大学入試に臨みながら第一志望に見事合格した生徒たちの姿が思い出されます。日に日に解き方が磨かれていきました。

来春の入試動向を点描してみます。

受験人口減により、大学受験者数が入学定員を下回る全入時代が到来

18歳人口は、2022年度以降も毎年2~3万人ずつ減少し、大学志望者数は減少を続け、再来年にはついに志願者数が大学入学定員を下回る「全入」時代に入ります。それでも私立大の定員は増加しています。ある外国の研究者によれば、日本の私大は家族経営が多くなかなか倒産することはないそうです。

国公立大学においても、総合型・学校推薦型選抜が徐々に拡大

2022年度の選抜方法別募集人員を見てみると、一般入試が78%で、総合型入試が6%、学校推薦型入試が16%となっています。文科省は総合型および学校推薦型入試の割合を増やしていく施策のようです。

私立大の地元志向は継続中

2021年度は地元志向と首都圏の大学を敬遠する傾向が顕著でした。2022年度も多くの地区でこの傾向は継続しそうです。東北地区は、首都圏の大学を志望する割合は2020年度52%、2021年度50%、2022年度48%と減っています。甲信越地区は、70%→67%→66%、東海地区は21%→20%→20%となっています。

医学部医学科入学定員 2022年度以降の方向性

医学科では2010年度以降、2019年度までの期限付き臨時定員として約1千人を増員させた。2020年度と2021年度は臨時定員の延長が認められ、多くの大学が定員を維持できました。2022年度も「2019年度の医学部定員総数(9,420人)を超えない範囲」で暫定的に維持する方向で調整が進んでいます。各大学の状況をみると、医学科全体では増員となる見込みです。志望動向からみても、ここ数年減少気味だったのが、実学志向の高まりによりその傾向は止まっています。

理系、および法・政治系の人気の高まり

就職を意識した系統が人気を博しています。全体に文低理高の傾向にあり、一昔前には敬遠されていた法・政治系や情報、資格系の学部に人気が集まっています。将来の人生設計に当たり、まずどんな分野に進むのかしっかり見定めたいものです。そのうえで、自分の学力を見極め、個々の大学・学部を選定していきましょう。ブランドだけで選ぶのは避けたい。昔になりますが、将来何になりたいかと生徒に聞いたら、まず医者、次に弁護士、それがだめなら革命家になりたいと答えた豪傑がいました。

英語資格・検定試験の活用状況

一般選抜で英語資格・検定試験を活用する私立大は、2022年度は4割弱にのぼる。大学数でみれば増加数はそれほどでもありませんが、すでに活用している大学が規模を拡大している動きが活発化しています。中央大学の理工学部、法政大学のグローバル教養、社会、国際文化学部など。一方、国公立大学は、1割弱で推移しており、私立大学に比べて活用拡大の動きは控えめです。共通テストで外部の民間試験を利用しなくなった影響もありそうです。

受験校の選考に当たって

受験校決定の留意点をあげておきます。参考にしてください。

  1. 自分の実力がどの辺にあるのか。高3になってからの模試の成績の推移をみて、教科間の得手不得手、不得意な単元などを洗い出してみる。10月以降成績が低迷していてもあきらめず、強気で臨んでください。偏差値だけでなく、過去問演習などで目指す大学の入試問題の得点率を冷静に判断してください。
  2. 入試難易度の幅。チャレンジ校(偏差値の幅で5ぐらい上)を2~3校、実力相当校を2~3校、安全校(偏差値の幅で5ぐらい下)を2校ぐらい選び出してみる。不本意入学のリスクも考え、家庭や教師ともよく相談することです。
  3. 受験スケジュールを作成しておくこと。共通テスト利用入試、全学部入試の活用、連続日程の考慮など、入試本番での消耗度なども考え、無理のないスケジュールを立てておくことが大切です。直前になってスケジュールは極力変えないようにしよう。
茗渓予備校の講師全員は受験生の皆さんの伴走者として、受験当日まで一緒に走り続けます。第一志望合格を勝ち取ろう。