最近中学生・高校生の間でもTOEICの受験者が増加しています。保護者様や生徒さんからも「TOEICと英検はどちらを受けるのが良いでしょうか」とのご質問を受ける機会も増えています。確かに最近はTOEIC人気に英検が押され気味にも思えます。一般社会人や大学生の間ではTOEICが国内で最もポピュラーな検定となっていますが、英検は中学生・高校生には大きなメリットがあります。その理由は英検が受験者の能力に応じて7段階にレベル分けされているため、段階的に能力を上げる学習に適しているからです。また、どのレベルにいる人も同じ検定を受けなければならないTOEICは英語初学者~中級者である中学生や高校生には不向きである場合があるからです。

初級者向け問題から超難関問題まで難易度の振り幅がとても大きいのです。英検準1級を取得したあたりからはTOEICに対しても腰を据えて取り組むことができると思います。また、扱われるトピックもビジネス寄りで中高生にはもう一つピンとこないかもしれません。逆に、大学生になってからは、就職時にも有利ですのでぜひTOEICを活用していただきたいです。

英検2級の難易度はセンター試験のレベルとほぼ同じですので、英検2級合格の力を付けた後スムーズに大学受験準備に進むことができます。また、いわゆる早慶上智の入学試験の語彙・文法は英検準1級レベルが含まれています。中学入学後の英検5級取得から始めて、高3の秋口あたりまで英検を客観的な実力の指針として利用することができます。

基本的な英語学習・学校教科書の先取り学習(中1~高1)

茗渓予備校の標準的な指導では、中1から高1まで学校教科書をメインに据えた先取り学習を行います。また、通常の指導でも英検過去問題を使った長文読解演習やリスニング演習等、英検に対応できる指導を定期的に取り入れています。この先取り学習と英検対策の効果で、中学生までの間に準2級~2級、高1までに2級を取得される生徒さんが多数いらっしゃいます。英検各級で扱われる長文は、センター試験の長文同様にしっかりとしたパラグラフ構造を持つ英文であり、各パラグラフのトピックセンテンスを把握することが正答に直結しているため、パラグラフリーディングの練習をする材料としてたいへん適しています。センター試験の長文問題は配点が大きいため、これらを確実に正解していくことが求められます。

一つ一つのパラグラフ(文章の節または段落)の主張をつかみ、それぞれの主張がどのような論理関係で結ばれているかを考えながら読むことを一般にパラグラフリーディングと呼んでいます。特に論文等で、1つのパラグラフの中で1つの主張とそれを支える根拠を一貫して示すことがあり、その主張が述べられている文をトピックセンテンス、主張を具体的根拠を挙げて支える文をサポートセンテンスと呼びます。このトピックセンテンスを把握して理解することで書き手が言いたいことを端的に理解することができます。


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