大学入試共通テストで「fact(事実)」あるいは「opinion(意見)」を述べている選択肢を選べという問題が出されるので、ちょっとまとめてみました。

fact(事実)」とは:


a piece of information presented as having objective reality

Oxford English Dictionary

That which is known (or firmly believed) to be real or true; what has actually happened or is the case; truth attested by direct observation or authentic testimony; reality


のこと、つまり客観的現実として提示される情報、あるいは客観的現実そのもののことです。事実は普遍的(universal)で誰にとっても同じであり、その真偽は観察者の持つ価値観や信念などにより影響を受けません。例えばリンゴが木から落ちる「落体の法則」の現象を観察すれば、誰もが同じ規則性でリンゴが地面に向かって落ちる様子を見ることになります。見る人によって落ちるスピードや方向が変化することはありませんし、「俺は落体の法則なんで信じないぞ、俺は空を自由に飛べるんだ!」と叫んでビルの屋上から飛びだしてもそれはかないません。仮にこの世から全人類が滅亡して誰もいなくなってしまったとしても(つまり「見る人」が全く存在しなくなったとしても)この法則は事実としてあり続けます。事実は、誰が何をどう考え感じようと、関係ないわけです。

これに対し「opinion(意見)」とは:


a view, judgment, or appraisal formed in the mind about a particular matter

Oxford English Dictionary

What or how one thinks about something; judgement or belief


のこと、つまり、ある特定のことに関するその人個人の見解(例:「五科目平均点超えてるし、いい調子だ!」)、判断(「こいつ犯人だな、この顔は絶対やってる」)、価値判断(「ここのプリンは絶品だ!」)のことです。意見は主観的(subjective)なものであり、人それぞれで変化します(例:「うちの学校レベル低いから平均ちょい越えで満足はできない⋯」「イケメンなんで無罪」「50円のプッチンプリンとたいして変わらない味なんだけど⋯」)。意見は、それを持つ特定の人が存在することが前提となます。事実に所有者はいませんが、意見には必ず所有者がいます。

このブログでも、「オピニオン」タグが付いた記事は執筆者個人の見解を表しているものになり、文責ものその執筆者個人に帰する形になります。


「事実」に関する意見

意見は、①味の好みや美醜などの主観的な価値判断(例:「豆ご飯はおいしい」)だけでなく、②ある「事実」とされる事柄についても持つことができます。例えば、その昔、地球の形が球ではなく平面だと、巨大なカメの上にゾウが数匹乗っかっていて、さらのその上にお盆のように地上があると考える人たちがいました。無論、事実(現実)としては地球の形は何十億年も前から変わらず同じままなわけですが、地球の形が球と考える人と平面と考える人とが以前にはいて、意見がわかれていたわけです。それぞれが自分の意見が「事実」だと主張していたわけですが、より精度の高い観測器具の発展や人工衛星からの写真などにより、この意見の相違は決着が付きました。





「意見」に関する事実

逆に「意見に関する事実」というのもあります。ある種の人々が「地球は球形ではなく平らである」という、地理分野における事実に関する意見を持っていたということは歴史的な事実なわけです(実は現在も存在していたりするのですが⋯)。

トムが「このプリンは美味だ」と思っていたとしたら、それは彼がプリンに関して持っている意見です。彼がそう思っていること自体は、トムという人間に関する事実になります。また、彼が自分の意見を口に出して「私はこのプリンは美味だと思う!」と言ったとしたら、この自身の意見を口頭で表明したという行為の遂行も事実になります。


英語での関連表現

ある内容を自分の意見として表明する場合、あるいは自分の個人的見解であると特に断って記す際には、「In my opinion, ....」(DUO32049、タゲ熟語0377)や「My opinion is that....」などの表現を用いることができます。

ある内容が事実だと主張する場合には、「It is a fact that....」「It is true that....」「It is the case that....」などを用います。

「in fact」(タゲ熟語0081)は「実際、⋯」「実のところ、⋯」の意で、 前出内容を補足・強調する際に用いる表現になります。

  • opinionated=自説を曲げない、意固地な。Someone known to be passive may become opinionated.(従順だった人が意固地になることがある。)>
  • opinion leader=世論指導者。
  • de facto=事実上の。He the country's de facto ruler(彼がその国の事実上の支配者だ。)⇔de jure(正当な)。
  • ex post facto=事後の、過去にさかのぼった、遡及的な(retroactive)。


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