センター試験の総評(英語編)

総語数は昨年度とよりやや減少し約4300語だが、後半の第5問の語い数が増加した分、第6問の語い数は100近く減っている。全体としては昨年度同様に多めになっており、最近の英語読解問題の長文化を反映したものとなっている。マーク数は昨年度と同数の55である。昨年度の問題と比較して目立った変更点は、昨年度はeメールの情報を読み取る形式の問題だった第5問の内容が物語を読み取る形式の問題になったことである。

第5問の内容は去年(2015年度)もその前年(2014年度)のイラスト選択の問題からeメールの情報を読み取る問題に変わっているので、センター対策を行う際に複数年度の問題や追試に当たっておくことも重要となるだろう。難易的にはあまり変化は見られない。多少の変化はあったが、英文自体の難易度は例年並みなので、普段からセンター模試または過去問等で時間配分を考えつつ解く練習を積んでいれば、十分対処のできる問題となっている。限られたスペースなので、今回は特に新高2、3年生が、比較的短期に対策を立てられる第1問、第2問、第3問についての対策アドバイス、解答・解説を詳しく行う。

第1問の傾向と対策

発音、アクセントの知識を問う問題。難易度は例年通りと言えるが、アクセント位置がずれてカタカナ語化した英単語はセンター試験では毎年のように出題されるので、簡単だと思っているカタカナ語でも、間違ってアクセント位置を覚えてはいないかのチェックをしてくことが必要。それ以外は普段の授業で何度か解説・演習をした発音・アクセントのルールを踏まえれば、かなりの正答率が見込める。したがって、この範囲が苦手な生徒は、出題された単語の発音・アクセントの確認は当然のことだが、基本的な発音、アクセントのルール(この範囲の学習を希望する場合は担当講師もしくは大学受験科の講師に相談してください。)を早めに学習しておくことが重要となる。

第2問の傾向と対策

A、B、Cの三部構成で、それぞれ文法・語法、整序英作文、対話文の知識と力を試す問題になっている。新高3生[新高2生]で今年のセンター試験にチャレンジしてこの第2問に苦戦した生徒は、夏期講習会に入るまでに、ぜひとも英単語はターゲットであれば1900まで[(新高2生は)見出し語で800前後まで]の暗記を終了してもらいたい(これでもかなり遅いペース)。また、授業で出来なかった英文法の範囲などに関しては自分から積極的に、①持っている問題集で該当範囲を解いてみたり、②同じプリントを利用して復習後に少し時間をおいてから再テストをしたり、③よく間違えるものに関しては英文を丸ごとノートなどに書き出して暗記した上で、講師に再テストを求めるなど、積極的、攻撃的な学習を開始しよう。

第3問の傾向と対策

構成A、B、Cの三部で昨年と同じだが、Aは昨年の「対話文中の下線部が語句の意味を推測する問題」から「対話文中の空所に入る英文を推測する問題」になっている。Bは昨年から導入された「不要な文の選択」の問題になっている。ターゲット1900レベルの英単語集で学習をしていたとすれば、理解できないような語句はほとんどない。したがってこの問題を解けないのは語彙力に原因があるのではなく解き方の問題となる。難関大ではこの設問の発展形が頻繁に出題されるので、語い力のみを利用するのではない解き方もセンターレベルで慣れておくことが重要。

2016年センター試験英語概要

第1問
A(発音問題):3問
B(アクセント問題):4問〔配点14〕

第2問
A(文法・語法):10問
B(対話文):3問
C(整序英作文):3問[マーク数6]〔配点44〕

第3問
A(対話文内で適切な表現を選択):2問
B(不要な文の選択):1問[マーク数3]
C(意見の要約):1問[マーク数3]

第4問
A(図表[表]と英文の読み取り):3問[マーク数4]
B(ウェブ情報の読み取り):3問[マーク数3]

第5問
(イラスト選択、英文選択):5問

昨年度のEメールの内容を読み取る問題から物語の内容を読み取る問題に変化。

第6問
A(長文読解):5問[マーク数5]
B(Aの長文の各パラグラフの要約を選択):1問[マーク数4]
昨年度と特に変化なし。


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