今回は国公立大受験生にとってセンター試験後に控える最大の山場である国公立大学入学試験(英語)についてお話ししたいと思います。

二次試験の概要

国公立大学の一般入試ではセンター試験後に志望大に出願して各大学の個別試験(2次試験と呼ばれる)を受験します。合否は、センター試験と2次試験の総合点で判定されます。2次試験は各大学が前期日程・後期日程の2日程に分けて入試選抜を行う「分離・分割方式」で実施されます。受験生は日程ごとに出願校を変えることも同じ大学を続けて受けることも可能です。また一部の公立大では中期日程を設けているところもありますので、これらを併せると最大3回の受験チャンスとなります。

基本的には、センター試験と2次試験の総合点で合否が決まります。センター試験と2次試験の配点比率は大学・学部ごとに異なります。また、一部の大学ではセンター試験の成績が基準を満たさないと不合格とする二段階選抜を採用していますので、大学発行の入試要項で事前にしっかりと確認しておく必要があります。

2次試験における英語

2次試験はセンター試験と違って各大学で個別に問題を作成するため、扱うトピックや語彙レベルは各大学の個性が表れますが、大まかに言うと制限時間90分で読解問題3問と自由英作文1問というあたりが平均と言えるでしょう。そして全体的な特徴としては次の3点が挙げられます。

長文化傾向

最近の国公立大学入試問題は読解問題の占める割合が大きく、問題が長文化している傾向があります。ここ数年の数字では東京大学の入試英文の総語数は2300語以上ありました(長文・短文・会話文のみで語法問題や英文による設問などはカウントしません)。また、こうした長い英文を試験時間内に読んで解答るためには、相当の速読力も必要になります。書かれていることの要旨を短時間で読み取ることのできる力をつける必要もあります。前回、センター試験のお話しをしたときに「パラグラフリーディング」の話題が出ました。1つ1つのパラグラフ(文章の節または段落)の主張をつかみ、それぞれの主張がどのような論理関係で結ばれているかを考えながら読むことを一般にパラグラフリーディングと呼んでいます。特に論文等で、1つのパラグラフの中で1つの主張とそれを支える根拠を一貫して示すことがあり、その主張が述べられている文をトピックセンテンス、主張を具体的根拠を挙げて支える文をサポートセンテンスと呼びます。このトピックセンテンスを把握して理解することで書き手が言いたいことを端的に理解することができるのです。パラグラフ構造を持つ英文を多読(精読と速読の両方)する練習をしっかりと積んで各パラグラフのトピックセンテンスを把握することが正答に結びつきます。

国語との類似性

最近の傾向として要約問題の出題が増えています。以前から東大など一部の大学ではときおり出題されていましたが、ここのところ出題されるところが増えています。要約問題は文字通り長い文章を短く要約しなさい、という問題です。したがって、あまり重要でないところは切り捨てて、文章の中から本当に大切なものだけを抽出することが要求されます。要約問題の解答はできるだけ短く、それでいて不足が何もないような答案を目指すことになります。要約問題はこのあとお話しする自由英作文と表裏一体の関係にあります。自由英作文では本当に大切なもの(要約の抽出部分)をまず考えてから、さらに説得力を持たせるために文章を肉付けしていくので、要約とは逆方向からの作業になります。ですから自由英作文の書き方を理解してマスターすると要約の方法も見えてきます。

自由英作文

自由英作文は何をどう書くかが、かなりの程度まで受験生の自由に任されていることもあって、逆にどのように取り組めばよいか困ってしまう受験生が多いようです。実際に私が指導している生徒さんたちにお話しを聞いてみても、きちんとした英作文の書き方を理解している人は少ないように思います。ところが近年、入試問題における自由英作文の比重はますます高まっています。特に国公立大学ではほとんどの場合自由英作文が課されます。さらに「しっかり対策している人」と逆に「対策をしていない人」の差がほかの分野より大きいため、点差が大きく開き、入試英語の中心と考えられてきた長文読解以上に、自由英作文が合否のカギを握っているとも考えられます。自由英作文はほとんどの場合平均して100語程度書くこと が求められます。この範囲で自分の考えていることの概略を伝えなくてはいけません。文法面も大事ですが、それと同等以上に論旨や構成が大切になります。ですから十分な準備をしておくことが非常に重要になります。しかし、自由英作文は裏を返せばきちんと準備をすることで他の受験生に対して大きなアドバンテージを得ることができる分野です。その理由の1つは自由英作文の書き方をきちんと理解し練習している受験生が少ないため、良い英作文を書ける人と書けない人の間で点差が大きく開きやすい、ということが挙げられるからです。受験生の間で比較的多い誤解の一つですが、自由英作文は独創的な内容を難しい文章を使って(倒置構文や強調構文等)表現すれば点数が高くなる、ということがあります。しかし試験全体の中で自由英作文に費やせる時間はせいぜい20分といったところです。その短い時間で完璧な論理の答案や難易度の高い文章を書くことは当然期待されていません。ある程度読ませるものであれば十分に点数が取れます。しかしこの「ある程度」というのが実際に書いてみるとなかなか難しいものです。比較的易しい語彙を用いながら標準的な文法を使って論理的に書くということは、正しい書き方を理解したあとで、さらに時間を使ってきちんと練習する必要があります。


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