K I R I
 — 2018年 6月号

センター新テスト(共通テスト)の進捗状況

独立行政法人大学入試センターは5月25日から3日間、電気通信大学(東京都調布市)で全国大学入学者選抜研究連絡協議会第13回大会を開催した。私は、2日目の全体会2の「大学入試共通テストの導入に向けた準備状況と試行調査(プレテスト)について」に参加した。

報告者は①「大学入学共通テスト等入学者選抜改革の進捗状況」…山田泰造(文部科学省大学入試室長)。②「試行調査(プレテスト)」の結果概要…大杉住子(大学入試センター審議役)。パネルディスカッションには、③島田康行(筑波大学教授)、④塩瀬隆之(京都大学准教授)、⑤木谷雅人(国立大学協会常務理事・事務局長)、⑥宮本久也(東京都立八王子東高等学校長)、⑦古沢由紀子(読売新聞東京本社論説委員)の4人が加わった。

報告内容と問題点

センター試験の後継となる「大学入学共通テスト」の実施方針(2017年7月)を踏まえ、マーク式問題の見直し、記述式問題の導入、英語4技能の資格・検定試験の活用について具体的な検討が進められている(この部分は主に②の大杉氏が説明)。マーク式設問は、探求の過程などをより重視したもので、授業において生徒が学習する場面を設定したり、社会生活や日常生活の中から課題を発見し解決方法を構想する場面を設定したりし、資料やデータ等をもとに考察する場面を扱った。高大接続会議の最終報告において「単なる知識の量や細かな知識の有無のみにより評価を行うことがないよう、作問の改善を図ることが重要である」という指摘に従い、歴史系科目については、より歴史的思考力を問う問題を、生物などについては科学的な探求活動を取り入れた設問を取り入れた。従来のセンターは6割の正答率を基準にしているが、新テストでは5割を基準とした。受検者がまだ新しい設問形式に慣れていないことによる。ただし今年11月(最後の試行調査)の結果を見て最終的に判断する。数学など自己採点が7割程度の精度であることなどは今後の課題である。

記述式問題に関して

30年度の試行調査においては、問題作成時点からセンターと採点業者とで内容をすり合わせ、具体の解答例の状況を相互で確認し調整することとした。③の島田教授が高校教員の受け止め(東北大の報告)の中で提出した指摘が目を引いた。従来の国語教育の指導内容とのずれ、個別試験の記述式問題との差が大きい、思考力の測定に限界あり、難易度が低いなど、現場に身を置くものとしても同感できる点が多い。

資格・検定試験(英語の外部認定試験)に関して

今回のメンバーに英語教育の専門家がいなかったせいか、①の山田文科省大学入試室長からの説明のみ。従来の方針とほとんど変わらないが、入試センター に成績を一元的に集約し、要請のあった大学に評価を提供するという「大学入試英語成績提供システム」を検討中としている。国大協のガイドラインや私立大の現状を考え、いろいろなケースに対応しようとしているかにみえる。⑥の宮本校長は、東大で今年2月に行われた『大学入学者選抜における英語試験のあり方をめぐって』での発言と同様に、「民間の資格・検定のハードルは低く、ウエイトは小さく」と主張していた。