K I R I
 — 2018年 12月号

偏差値と志望校

あっという間の師走です。期末試験も終わり、冬期講習が始まります。2学期の総括を行い、これからの学習に何が必要かをしっかり担当講師と確認してください。年末年始のあわただしさに気を取られないで、獲得目標を明確にして冬期に臨みたいものです。受験生諸君は、冬期講習が終わるとセンター試験へ向けた最後の調整が始まります。制限時間内に問題を解いてみてください。いろいろな発見があるはずです。センターが終わると本試験が始まります。茗渓のスタッフもみなさんの同伴者として、さまざまな形でサポートしていきます。合格の二文字を手にするまで。

先月仲間内の研究会で、首都圏の高校入試において「私立の推薦基準はどう変わったか」というテーマを話し合いました。故鳩山文部大臣の時代に、進学指導に偏差値なるものは使ってはならないという通達があり、進研など関連業者は社運が傾きかけたということですが、全国版である大学入試においては、こんな話はとんと通用しないのが現実です。首都圏の高校は通知表の評価をもとに推薦基準を使っていますが、業者テストの偏差値もちゃんと見ているのが現状です。

学力偏差値を作った桑田昭三氏(中央公論が選んだ戦後日本を作った100人のなかの一人)は、この偏差値なるものは理論的には3程度の誤差があると言っておられます。また、「本番で取る成績の範囲と確率は予言できますが、実際に取れる成績はどう知恵を絞っても予測できません」とも言われています。あくまでも確率の問題だというわけです。

では、河合塾では全国の高校の先生たちにどのように受験プランの作成を説明しているか、簡潔にご報告しておきましょう。

①まず、実力ライン(基準線)をどこに設定するかという問題。3回の全統模試で成績が順調に伸びている場合(右肩上がり)は第3回寄りの設定を行うが、各科目のバランスも注意する。

②成績が下がり気味(右肩下がり)は、これも第3回目寄りの設定を行う。ただし、模試当日に特段の事情があったりしたら、上方修正する。

③成績に波がある場合は、第2回目と第3回の中間で設定するが、現役の場合、その後伸びる場合も珍しくないという。

では、受験校の選択(併願校を決める際の入試難易度の幅の問題)はどう指導するのでしょうか。河合塾は2.5のピッチで偏差値の刻みを付けています。例えば偏差値55と設定した生徒の場合、52.5から57.4の間に実力相応校を2~3校選ばせ、57.5から62.4の間に目標校(チャレンジ校)として2~3校を設定しています。安全校(滑り止め)は、50.0から52.4までで1~2校設定します。

上述の桑田氏のいう理論的なずれや、生徒の意欲や伸びしろ、過去問の出来具合なども勘案する必要がありそうです。

●ようやく2019年度のガイダンスの原稿を脱稿したところです。かなり手を加えました。2020年度の入試改革を意識したものとなっています。共通テストの内容に関しては、『思考力問題の研究』(旺文社、茗渓スタッフの大川先生も執筆)を参照ください。