K I R I
 — 2020年 2月号

大学入試のあり方に関する検討会議始まる

さあ、入試も山場に差し掛かりました。いままでの努力を信じて、平常心で本番に臨みましょう。茗渓予備校スタッフ一同、受験生の皆さんを全面的にバックアップしています。

2月15日に、英語民間試験の導入の先送りと国語と数学の記述式問題の見送りを受けて、11名の有識者委員と7名の教育団体委員からなる『あり方会議』が始まった。今後1年程度で方向性をまとめると言う。

萩生田文科大臣が、英語民間試験の導入を5年後、つまり令和6年度(2024年度)と言ったのは、新学習指導要領に対応した最初の大学入試がこの年度に当たるからである。大学は、個別学力検査及び大学入学共通テストにおいて課す教科・科目を変更する場合は、2年程度前に予告するルール(大学入学者選抜実施要項)があり、さらに、この2年前予告を可能にするためには、その前年度の夏ごろまでに制度改革に関して各大学に通知する必要がある。つまり、国は遅くとも令和3年度(2021年度)の夏ごろまでには実施大綱を決めておかなければならない。逆算すると、本年度中に「大学入試のあり方」を決めておかなければならないのである。

令和3年度(2001年度)の最初の『大学入学共通テスト』に係る出題教科・科目の出題方法等は、先月の1月29日に広報された。主な点だけを列記すると、
  1. 国語は、記述式設問は出さない。時間は100分から80分に戻し、200点満点とする。
  2. 数学は、数Ⅰの記述式問題は出さない。ただし、時間は70分とし、100点満点。
  3. 英語は、民間試験の導入を見送り、すでに告知しているように、『リーディング』(80分、100点満点)、『リスニング』(60分、そのうち解答時間30分、100点満点)とする。※発音やアクセントなどの問題は出題しない。
これで、現高2生が最初の『共通テスト』で受験する概要は決定したことになる。今後は、この新しいテスト内容に合わせた受験勉強が必要になる。ただし、元の『センター試験』に戻ったとは思わず、出題の狙いを試行試験や各社の模試などで確認し、新テストの様式に早めに慣れておくことが必要である。

第1回目の『あり方会議』から二点問題点を拾ってみる。

座長の三島良直委員(東工大学長)は、会議後、1年以内に結論を出すことについて、「強引な決め方にならないようにというのが一番気にするところ」と述べたという。この種の会議によく見受けられるように、いろいろな立場の意見が交錯し時間がなくなりかけると、あらかじめ用意された事務局(文科省)案が突然出てきてまとめてしまう。有識者のメンバーの構成にしても、数合わせやバランスを優先し、教育学者やテスト理論の専門家など実証的な意見が出せる専門家や、当事者である高校生なども思い切って参加させるアイデアはないものだろうか。

両角亜希子委員(東大大学院准教授、高等教育政策)が、次のような本質を突く発言をしている。「文科省の方針を撤回したことを受けて,もともとやると言っていた大学がやっぱりやめますという判断をたくさんしたということに対しても,私はすごく驚きと憤りを感じているわけなんですけれど,その程度の判断をなぜ大学はしたのかということとか,いろいろ反省すべき点が多いかなと感じています。」「今回の事態に至った背景として,私自身は,手段と目的を取り違えたことがそもそも問題だったんじゃないかと思っています。入試を変えることで高校と大学の教育を変えるという発想自体がおかしくて,教育の課題は教育の現場で解決されるべきで,入試で解決しようと思ってできることではなく,新たな問題を生むだけだというふうに思います。」

これに対して、岡正朗委員(国立大学協会入試委員長、山口大学長)や、柴田洋三郎委員(公立大学協会指名理事、福岡県立大理事長・学長)は、現場の大学の置かれた立場としてはいろいろ議論をし、手を打ってきたと、いくぶん言い訳がましい説明となっていた。ここは、限られた時間ではあれ、本質的な議論を今後行ってほしいところだ。