K I R I
 — 2019年 10月号

今年の天候は10月の声を聞いても、暑い日が襲ってきますね。体調にはくれぐれも気を付けてください。

茗渓予備校では、調布校舎と吉祥寺校舎で例年通り『秋の大学入試セミナー』を開催しました。今月は、今年の大学入試から見てとれる話題を一部取り上げてみます。次回は来年度の入試を展望する予定です。

来年はいよいよセンター試験最後の年となります。また、4月からは2021年1月の入試に向けた英語の外部試験が実施されます。入試制度の大きな転換点を迎えます。

今年の入試アラカルト

高校卒業後、就職しないで進学する人は8割に上ります。大学が53.1%、短大や専修学校が28.2%です。そのうえ、18歳人口はこの先少しずつ細ってきます。浪人5万人時代を迎え、東大2万人・医学部2万人・難関私大1万人しか浪人は存在しないといわれるほどです。浪人生だよリの予備校はその経営に四苦八苦です。

それに反して、大学数は1992年に比べて、259大学も増えています。当然、この先大学は淘汰されることになるでしょう。すでに小樽商科大学+帯広畜産大+北見工業大の統合が現実味を帯び、東京医科歯科大・一橋大・東工大・東京外大・東京芸大5つの単科大学を統合した第二東大のうわさまで聞こえてきます。

ところが、今年の大学入試を見てみると、現役志向や安全志向が今年も続いています。2020年度の入試改革(共通テストの実施)を迎え、来年度もより一層こうした傾向は続いていくことでしょう。都内近県の私立大学では、千葉商科大学、桜美林大学、立正大学、東京都市大学、専修大学、工学院大学、東京電機大学などが大幅に志願者を伸ばしました。私大志願者は、17年8%増、18年7%増、19年は5%増です。その理由は、都内の明治・法政・中大などの大規模校に対する定員の厳格化で合格者が減って合格が難しくなり、難関校を敬遠して、入りやすい大学に流れたせいです。

定員の厳格化とは⇒国の大学定員超過是正のための施策として(基本的には地方創成という国の大方針がある)、私立大学の経常費に対する補助金不交付ルールや学部等設置認可申請時における入学定員超過率の基準を厳格化することが2018年度まで段階的に実施された。ところが、今年の入試でその施策が一旦中止された情報が受験者まで徹底されなかったせいで、繰り上げ合格が相当数出ている。チャレンジも必要という話です。

実際、進学校の高校現場では、①併願校を増やすように指導(59.3%)、②センター利用の受験を進める(29.2%)、③推薦・AO入試の受験を進める(23.5%)、④受験校のレベルを下げるように指導(21.4%)、などを行っていたといいます(大学通信情報調査)。入試の実態もおよそこのような結果になっています。なかには、志望校を下げて、なお滑り止め校を3校も受けた受験生もいたとか。こんな時だからこそ、教育現場では的確な情報を生徒保護者に伝えていく必要性を感じます。

一般入試が難しくなる要因には、こんなことも考えられます。今年は、とくに中堅以下の大学で指定校推薦希望者がレベルの高い高校からも応募してきて、その結果、増えた分を一般入試の枠から減らさざるを得なかったといいます。例年なら合格していた層から不合格者がでて、高校側から相当不満の声が上がり、来年度からは評定平均値を上げるなどの方法を考えている大学もあります。

今年も、繰り上げ合格が多かった。繰り上げの発表方法にはいろいろなパターンがありますが、ここでは一部の大学の繰り上げ数(想定)を例に挙げておきます。
  • 慶応大学684人(昨年は626人) 立教大学192人(昨年は760人)
  • 上智大学783人(国立の発表日の3月12日には、416人の繰り上げがあったようだ。)