K I R I
 — 2019年 12月号

主だった大学の入試状況

今回は来春の入試状況を概括すると同時に、今後の趨勢を若干展望してみます。

来春の入試は、入試改革前年で大きな変化は見られません。

2019年度入試(今春)は、大学志願者数は前年並み(現役微減、既卒微増)で、私大の難化を警戒した安全志向が鮮明になりました。来春2020年度は、18歳人口は約8千人減(前年比99%)で、現役大学志願者数は微減、既卒性も減少の見込みです。センター試験は終了。2021年度からは、大学入学共通テストを活用した新しい入試が導入されます。18歳人口は2%強減少し、これにともない現役大学志願者数は減少し、既卒生も前年度で新入試を敬遠したことにより減少することでしょう。

私立大学における入学定員充足率の是正は、私立大学では102.7%となりました。小規模大学では入学定員を満たす大学が増加し、大規模大、中規模大では定員超過の是正が進んだことで定員充足率はいずれのグループも100%に近づいています。とくに大規模大では是正はほぼ完了したと思われます。

例えば、慶応大学と中央大学が100%、立教大学が99%、早稲田大学が98%、法政大学が97%、明治大学が96%などです。

ここで、主だった大学の入試状況を河合塾のデータをもとに、トピック的に拾い上げておきますが、志望校に関しては個別に情報を入手しておいてください。

国公立大学の一例
  • 一橋大学:大学全体で志望者は1割以上の減少。法学部を除き、上位層の減少も目立ちボーダーもダウンしており、狙いどころ。記述模試における二次ランク予想に変動はないが、志望者は前年対比85%と同様に減少している。
  • 東工大:情報理工学院の人気が際立っている。入試本番での前期合計の倍率は4.2倍であったが、情報理工は8.5倍の高倍率となっている。ほかの大学でも情報関係は人気。マーク模試、記述模試ともに上位層が厚くなっている。
  • 東京都立大:名称を変更した同大学。前期112%、後期106%と増加しているが、ボーダーの変動はなく安定した動きを呈している。

私立大学の一例
首都圏主要大学では、安全志向がセンター方式の志望者減少にも表れている。一般入試に比べ合格しづらい状況から、敬遠されているようだ。
  • 早稲田大学:大学全体の志望者は前年比93%、とくにセンター試験での減少率が1割以上と大きい。しかし、志望者減少がボーダーダウンに及んでいる学部は少ない。アップが目立った昨年・一昨年と比べるとかなり落ち着いた状況。
  • 慶応大学:大学全体の志望者は前年対比93%と減少しているが、難易度に大きな影響は出ていない。理工学部では、2年進級時に情報系学科の割合が高い学問Bに人気が集まっている。
  • 明治大学:安全志向の影響からか志望者は減少、とくにセンター方式で顕著になっている。ボーダーも小幅だがダウンが予想される。(とくに文系学部)
  • 中央大学:グループ全体のなかで志望者減少が目立つ。ただし、新設2学部では、昨年志望者が少なかった国際情報は大幅増加、予想ランクも2ランクアップし(偏差値62.5)、国際経営と同水準となっている。

ここで2020年入試にむけた志望校選択を考えてみましょう。
  • 難関大の人気低迷はチャンスと捉えよう
    全国的な安全志向の眼立つ中で、一つ下への志望校変更は必ずしも結果として良策だとは言えません。自分の将来を見据え納得できる進路設計をするうえで、最後まで前向きに考えましょう。
  • 幅広い出願校選びをしよう
    私立大学の出願においては、チャレンジ・実力相応・安全圏を検討し、同じような難易度の大学に偏らないようにしたいものです。安全校の安全校を選ぶなどというようなことのないように。

2021年における英語民間試験の活用に関して 国立9割で活用せず

東京支部11国立大学のうち、海洋大学は活用、東京学芸大学は未定、東大などほかの大学はすべて見送るとしている。(12月2日時点 受験者は必ず各大学の公式情報を参照のこと)