NEWSLETTER2018年9月号

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「大学受験英語のリスニング」

 英語の技能分野を大まかに分けるとすれば、リスニング(L)・リーディング(R)・スピーキング(S)・ライティング(W)に分けることができます。また、日本の大学入試では非常に重視される、和訳という技能もあります。またその前段階として文法や語彙があります。先月からこれらの技能を大学受験というテーマと絡めながらお話ししています。第2回目はリスニングについてです。

 大学によってリスニングを採用している場合とそうでない場合がありますが、大学入試のスタンダードと言えるセンター英語科試験にはリスニング問題が課されます。リスニング試験は筆記試験と比べると難易度はそれほど高くない場合がほとんどですが、普段の練習量が足りなくなりがちですので苦手意識を持つ生徒さんも多いのではないでしょうか。今回はこのセンター英語科試験を英検2級リスニング(一般に「高校卒業レベル」とされています)との対比を織り交ぜながらお話しします。

□センター英語科試験内容

筆記80分(200点満点)+リスニング30分(50点満点)
  1.発音とアクセント
  2.文法・語法・語彙・対話文・整序英作文
  3.文脈による語句の意味推測・不要な文の選択・意見内容の要約
  4.表と英文・ウェブサイトからの情報の読み取り
  5.イラストを含む内容一致問題
  6.長文読解・パラグラフごとの内容真偽問題
  7.リスニング・短い対話・適切な応答・やや長い対話・長い対話・やや長いアナウンス・長いアナウンス

□リスニング考察
 センター試験にはリスニングが50点分含まれていますが、ここ数年のリスニング平均点はおおむね5割~6割で推移しています。国公立大学や私立の難関大学を目指す受験生は、センター英語の筆記試験で8割以上の得点が求められます。筆記に加えてリスニングの配点が50点ありますので、こちらでもできるだけ高得点を狙いたいところです。センター英語リスニングと英検2級リスニングは使用されている語彙レベルはほぼ同等ですので、英検2級リスニングの練習をすることはセンターリスニング過去問と併せて、あるいはその準備段階として、有効な方法の1つになるでしょう。もちろん形式も含めてまったく同じわけではありません。例えば音声が流れる回数はセンター英語試験では2回ですが、英検2級リスニングでは1度だけしか聴くことができません。英検2級リスニングで1度だけ音声を聴いて内容を処理する英語力と集中力を鍛えることはセンター試験英語リスニングで余裕を持って聴けることにつながるでしょう。

 リスニング力のトレーニングはリーディング力も支えてくれます。私たちは文字を読んで理解する過程で、脳内で文字を音声化していると言われています。声に出して読むと文章が記憶に残りやすくなることがありますが、これは音声化することで理解のレベルが深くなるからと考えられています。リスニング力を強化し、音声と文字の一体感を高めることで速く深く読めるようになります。逆に、精読と速読を組み合わせた練習でリーディング力を鍛えることはリスニング力の強化にもつながります。

 リスニングは「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能の1つとして、10代の時期に継続的に練習することの英語力向上に与える影響ははかりしれないものがあります。また、先ほどお話ししましたように、リスニング練習は英文速読(ここでの速読とは斜め読みや飛ばし読みではなく、精読のスピードが速いことを意味します)の能力とも相互作用があります。この能力は大学入試問題に取り組むときに大きな効果を発揮することはもちろんのことですが、その後を見据えた英語力向上の観点からも必要とされる能力です。社会人の英語力の客観的な判断材料としてTOEICが一般的に使われていますが、このTOEICで好成績を収めるためにも精読⇒速読は必須の能力のひとつです。リスニングと読むことの間には脳の働きの上でも大きな共通点があるようです。リスニング練習で好成績を収めるためには集中力や音のつながり(リエゾン)等の耳が慣れているということにとどまらず、語彙力や文法単元の体系的理解が必要で、つまり英語の総合的なレベルアップという観点からも相乗効果が見込まれる必須単元と言えるでしょう。

 (文責・後藤 英語資格試験対策室 室長)







●目時信哉(数学担当:校舎長兼運営部長) 東京大学数理科学研究科博士課程修了。数理科学博士。著作『父親として知っておきたい理科の常識』『数学に自信がない人のための365問』(共にPHP出版)
●武藤和栄(数学担当)東京教育大(現筑波大) 小学生から大学受験生まで幅広く指導。著作『文系の算数力アップ300題』(NHK出版)
●後藤 実(英語担当:英語資格試験対策室室長)英検1級 TOEIC990点満点取得
●高木春彦(英語担当:茗渓予備校代表) 東京教育大学(現筑波大)博士課程修了。 マッコーリー大学(オーストラリア国立大学)修士号取得。静岡大学や東京教育大学講師を勤めたのち、茗渓塾塾長。現在は、茗渓予備校の代表。
これから府中校の指導の実際や、教科の話をしていきます。