2020年度から始まる改革によって、大学入試が大きく変わろうとしています。

大学入試センター試験に代わって新たに導入される予定の「大学入試共通テスト」では、マークシート式問題の他、英検やTEAP、GTEC、TOEIC,TOEFL等のいわゆる「民間試験」が導入されることになっています。これらの民間試験はすべて「読む」「聞く」「書く」「話す」の4技能がバランスよく試される内容である点において従来の大学入試とは大きく異なっています。今回はこの民間試験のうち3種類(英検・TEAP・TOEIC)をご紹介します。

実用技能英語検定

幅広い世代に対応した国内最大級の英語資格試験。

英検は社会で通用する英語、実用英語をはかる試験です。英語の4 技能のバランスを重視し、時代の動きに合わせて厳選された質の高い問題を出題しています。

また、学習段階に応じて、日常会話から教養を深める社会的な題材まで幅広い話題を対象とし、試験としてだけでなく受験者が親しみを持ちながら知識を深められるよう工夫されています。受験者は年間約230万人、1963年の第1回検定からの累計では9200万人を数える、人気の高い検定試験です。英検は新方式という形で文科省(大学入試センター)から認定されることになりました。

新方式の英検は、①公開会場実施、②1日完結型(従来の一次二次という形を取らない)という方式を指す新しい英検です。従来型は4技能を1回の試験ですべて評価するものではないということで選考から外されていますが、私大のAO入試や推薦入試などでは使用することが可能です。

7つの級が設定されていて、各級において合否に加えて英検CSEスコアが表示されます。級ごとにそれぞれ技能別の満点を設定し、その結果もスコア表示されます。5級、4級はリーディング、リスニングと、新しく導入されたスピーキングテスト(希望者のみ)の3技能、3級~1級は、ライティングも含めた全4技能のスコアが表示されます。

TEAP

「大学教育レベルにふさわしい英語力」を正確に測定する、アカデミック英語力判定試験。

これまでの大学入試というのは、受験者の「選別」を主な目的にそれぞれの大学や学部が独自に問題を作成し、受験者には合格・不合格の情報のみが伝えられていました。また、問題内容や質、選別方法にばらつきや偏りがありました。こうした背景を受けて上智大学と公益財団法人日本英語検定協会が、共同で開発したのがTEAPです。

日本における「大学教育レベルにふさわしい英語力」を測るうえで適切な設計となっており、テスト内容はすべて大学教育(留学も含む)で遭遇する場面を考慮して作成されています。

TEAPは利用者の総合的な英語力を測定するために、「読む」「聞く」「書く」「話す」の4つのカテゴリーから構成しています。

TOEIC

英語によるコミュニケーション能力を幅広く評価する世界共通のテスト。

TOEICとはTest of English for International Communicationの略称で、世界最大の非営利テスト開発機関である米国Educational Testing Service(ETS)によって開発され、1979年に日本で初めて実施されました。

TOEIC L&R は身近な内容からビジネスまで幅広くどれだけ英語でコミュニケーションできるかということを評価します。

和文英訳、英文和訳といった設問はなく、「要点がわかる」「推測できる」といった能力に加え言語運用能力の基礎をなす文法、語彙、音声識別能力などをより幅広く測定します。また、その国独自の文化的背景や言いまわしを知らなければ解答できないような問題は排除されていますので、「世界共通の基準」として活用することができます。

現在では、TOEIC L&R とTOEIC S&Wを活用することにより、「読む」「聞く」「書く」「話す」英語コミュニケーション能力を総合的に価でき、英語によるコミュニケーション能力を幅広く評価する世界共通のテストとして、世界160カ国、年間約700万人が受験しています。日本ではTOEIC L&R で年間250万人、TOEIC S&Wで年間3万人が受験しています(2016年度)。

●TOEIC Listening &Reading Test
・リーディング:マークシート方式(時間:75分間)
・リスニング:マークシート方式(時間:約45分間)

●TOEIC Speaking &WritingTests
・ライティング:キーボードでのタイプ入力による解答(時間:約60分間)
・スピーキング:マイク付きでイヤホンでの音声録音による解答(時間:約20分間)

※TOEIC Speaking&WritingTestsは試験会場のパソコンにインターネットを介してテスト問題が配信されるもので、受験者はTOEIC Listening &Reading Testのように紙と鉛筆で解答するのではなく、パソコン上で音声を吹き込んだり文章を入力して解答します。

続く


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