医学部の入試問題は特殊?

医学部の問題は難易度的には非常に高い内容です。しかし、世間で言われる程特殊な内容では決してありません。特殊な点は、他学部に比べ難易度の非常に高い問題を非常に学力の高い生徒たちが全国から集まって狭き門を競うことにあります。ここが医学部受験の最大の難しさです。決して問題の内容が特殊なわけではりません

専門用語は必須?

医学用語も英語でわかるようにしておいたほうが良いのでしょうか?」という質問を保護者様や生徒本人から聞かれることが時々あります。そんなときは「一部の大学ではそういった用語が英文の中に混ざっていることは事実です。でも、大学で教わることになる用語をまだ教わっていない高校生に、しかも英語でなぜそうした用語が問題の中に使われていると思いますか? おかしくないですか?」と逆に尋ねることにしています。「出題者の意図は何でしょうか?」と。「出題者の意図の1つは高い英語能力と、それに裏打ちされた問題解決能力を測ることです。難易度の高い英文を全体を通して読む中でしっかりと意味を取っていく、あるいは必要に応じて推測する能力が求められています。」とお話しすると納得してくださる方が多いです。医学部の専門用語をリストアップして生徒に配布することも1つの方法ですが、それらはあくまで対症療法の1つです。使いようです。

同様に、長文に対応するために様々な事柄に広く浅く通じておくという考えも半分は賛成です。常識の範囲の知識は必要ですが、あまり興味のないトピックやまったく知らないトピックであっても、きちんと理解できるように書いてあるのが入試問題です。入試問題は教養のあるネイティブが読む英文が中心ですから当然そうなっています。そうした良文をきちんと読みこなしていく英語力をしっかり身につけていくということです。その上で初めて様々な雑学知識を持っていることは有利に働くでしょう。

医学部入試問題・近年の傾向:長文化の傾向

文法、語彙、発音等に選別された設問が減り、長文の大問が3、4問。その中に文法、語彙等を問う形が多いです。また、文全体をきちんと読み大意をしっかり捉える能力をみる問題が多くなっています。細かく言うと次の6点。

  1. 近年の長文問題は英文の種類も多様であり、内容・題材も多岐にわたる。
  2. 設問が多角的である。
  3. ハイレベルの単語・熟語の知識が必要(一部は英検準1級レベル)。
  4. 文法の運用力や重要構文の習熟が必要とされる。
  5. 扱われたトピックやテーマについての常識や文脈を把握する思考力が求められる。
  6. 和訳や要約をするための国語力・表現力が必須。
英作文重視の傾向:合否の分かれ目としての自由英作文

英作文の中でも「自由英作文」と呼ばれるタイプの問題は、その名の通り、何をどう書くかが、かなりの程度まで受験生の自由に任せられています。そのため、逆にどのように取り組んだら良いか困ってしまう受験生が多いようです。

ところが近年、入試問題における自由英作文の比重はどんどん高まっています。さらに「しっかり対策している人」と逆に「対策をしていない人」の差がほかの分野より大きいため、点差が大きく開き、もしかしたら入試英語の中心と考えられてきた長文読解以上に、自由英作文が合否のカギを握っているとも考えられます。

自由英作文に苦手意識を持つ人も多いかもしれませんが、十分な準備をしておくことが非常に重要になります。


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