今回は赤本についてお話したいと思います。「入試直前の力試し」として使うことも多い赤本ですが、志望校の傾向を徹底的に研究するために使うと効果的です。今回はこの赤本の効果的な利用法(英語)と注意点についてお話します。

赤本とは?

赤本は、世界思想社教学社が発行している大学・学部別の大学入試過去問題の通称です。正式名称は「大学入学シリーズ」。年次版で毎年4月~11月頃にかけて刊行されます。1冊の中で特定の大学の主要教科の過去問が、「大学情報」「傾向と対策」「解答・解説」とともに収録されています。

主要国立大学の場合は前期日程・後期日程や文系・理系などでそれぞれ1冊というように複数冊に分かれています。また、規模の大きい私立大学の場合は学部単位で1冊となる場合があります。収録されている問題の年度数は大学にもよりますが3ヶ年の場合が多いようです。赤本を使用する主な目的は次の4つです。

赤本使用目的の4ポイント:
  1. 入試傾向の把握
  2. 自分の弱点の把握
  3. 問題形式の習熟
  4. 解き方の研究
赤本に関するアドバイス

①購入は早めに
本は年次版で毎年4月~11月頃にかけて刊行されます。内容は毎年改訂されますので、ある程度部数を制限して出版されます。売り切れても増刷されないので志望大学の赤本は早めに入手しましょう。

②新しい年度から数年分の問題を使う
赤本は傾向を調べる指針とすべき問題集なので、新しい年度数年分の問題を使いましょう。新しい問題の方が本番試験の傾向に近いことが予想されます。出題される率が高いと思われる問題のパターンから攻略することで能率が高まります。「過去問は力試し」という発想で「一番新しいのは直前の練習に使いたい」と考える生徒さんも多いと思います。その場合は最新版を最後まで解かずに取っておいても良いのですが、赤本はそうした「力試し」的要素よりも入試傾向の把握→自分の弱点の把握→問題形式に慣れる→解き方の研究といった「実力養成」の要素が大きいですので最新年度から解いて差し支えありません。

大学学部によっては、2年分しか手に入らないこともありますが、その場合は傾向の似た他の学部の過去問題を解きます。傾向の似た大学については担当の先生に相談してみるとよいでしょう。

③傾向のチェック
主に以下をチェックする必要があります。
  • 制限時間
  • 大問数
  • 問題ジャンル:長文・文法語法・英作文・要約・リスニング
長文が何題出されるのか、その長さはどの程度かを知ることはとても重要です。500語レベルの長文と1000語以上の超長文では全く違います。超長文に対しては相当の準備が必要になります。また、客観問題か論述問題中心かでそれぞれ対応した学習が必要になります。長文問題として出題されていても、実際は文法問題というケースもよくあります。長文の中に出てくるthatに線が引かれていて、同じ用法のものを選択肢から選べという問題や、熟語に線が引いてあって、これと同じものを選べという問題があります。また最近では口語表現・会話表現の出題も目立ちます。正誤問題と並んで受験生が難しく感じるのが整序問題です。語彙熟語や構文をしっかりと身につける必要があるため短期間に実力をつけるのが難しい問題です。英作文や要約がある場合も十分な対策が必要です。

④難易度が高くても慌てない
高2の1年間、あるいは高3の1学期に赤本を解いた場合、難しすぎると感じる人もいるでしょう。これはある程度当然のことで、大学入試問題はそれだけ難易度の高いものです。現在の自分の実力と入試問題の難易度との間のギャップをこれから時間をかけて埋めていけばよいことですのでこの時点での出来不出来は気にしすぎないようにしてください。最初は問題を解かずに、まずは過去問の傾向分析だけをすることも有効でしょう。「長文が多いなぁ」「意外に文法問題は少ないな」「自由英作文難しそう」といったことがわかるだけでも、これから何をどのように準備すればよいのかについてのヒントになりますから大きな収穫です。

赤本の効果的な利用例(英語)

赤本には様々な利用法があります。その例をいくつか挙げてみます。
  1. 初見の状態で制限時間を守って解き、現在の解答力(正答率)を知る方法。
  2. 時間制限なしで解いてみて、時間を掛ければどれ位解けるのかをチェックする方法(目的は現在の英語力を知ること)。
  3. 赤本の中で使われている語彙や熟語・構文等を研究してマスターする方法(志望大学の傾向に沿いつつ英語力をアップさせることができます)。
  4. 復習として解説や訳文を見るだけではなく、"音読する""書いてみる"等のアウトプット練習を取り入れる方法。
  5. 具体的な解き方を研究する方法。
  6. 赤本の反復練習の合間に初見の問題をはさみこんで解く方法。
などなど...。


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