どのような基準で塾・予備校を選べばいいのでしょう。以下に注意点を箇条書きしました。詳細はスペースの関係上割愛させていただきます。もしご興味のある方は、茗渓のホーム・ページの鈴木のブログをご覧ください。要するに私が言いたいのは、「予備校の授業を作るのは受験生諸君自身である。」ということです。ただお金だけ払って「この予算で適当に何か見繕ってよ、マスター!」という人が多すぎます。予備校は飲み屋や定食屋ではないのです。支払う授業料がもし諸君らのお小遣いだったら...と考えてみるべきでしょう。

1.「月謝制」の予備校を選べ!
3ヶ月・半年・果ては1年分の授業料を一括納付させるところがありますが要注意です。何カ月も先までお金を取るなど、そもそもおかしいと考えるのが自然です。例えば2年前の卒業生にMさんがおりました。英語が非常に優秀な生徒さんでしたが突如「退会」の申し出がありました。学校で最上位クラスに見事昇級を果たした直後でしたので私もびっくりしました。聞くと「集団授業の予備校に行けと言われた!」というのです。どうもご家庭の経済的理由だったようで、本人も渋々従ったようです。結果がどうなるか、私には手に取るように分かりました。しかしお金に関わることですからこちらも何も言えません。「"そもそも関係代名詞とは..."と始まるぞ。おかしいと思ったらすぐ帰ってこい!」と彼女には伝えておきました。果たせるかな1ヵ月後、彼女が泣きそうな顔で教室に飛び込んできたのです。「先生大変です!"文型とは..."から始まりましたー!」「なにー!?文型!?」流石の私も茫然自失です。文型とは「SVOC」のこと。プログレス使用校の彼女は「文型」など中1の冬に終わっています。高3ですからすぐにでも入試問題に着手しないといけない時期でした。この予備校は一体何を考えているのでしょう。「センスなさすぎ!」です。しかも場所は都心。往復時間や疲労も馬鹿になりません。さらに1学期分の授業料を前もって取られていたのです。しかし背に腹は代えられません。お金より時間が大事です。授業料は結局「どぶに捨てる」結果となりました。「安物買いの銭失い」というやつです。やがて半年後に彼女は茗渓に復帰を果たすのですが、第2志望以下には合格したものの第1志望の大学には残念ながら手が届きませんでした。受験生にとって半年のブランクは余りに大きかったというしかありません。

2.必ず「授業見学」を...
ある生徒さんは、体験授業を受けないでお金を払い込む寸前でした。すんでのところで私がストップをかけましたが油断も隙もありません。お正月の福袋でもあるまいし、何が入っているか分からないのにお金を払うなど、ジョークにしても悪趣味です。しかしご両親も家庭内での諍いを恐れて「お金だけ出す」という形になってしまっていたようです。いくら高3といってもこういった点ではまだ子どもですから周囲の大人が目を光らせていないといけません。また「見学の時の先生と、実際授業をやる先生が違ってた!」などというケースもみられます。体験授業はあくまで「表向きの顔」ですから当然こういったこともありえます。そんな時のための「月謝制」です。3年前のKさんもそんな一人でした。高2で退会しましたが、結局高3開始時にもどってくることとなりました。「体験授業のときと全然話が違ってた!!」というのです。しかし予備校を変えるというのは大変なエネルギーを要します。ぐずぐずしている間に半年くらいあっというまにたってしまったようです。先月号に登場したMさんより時期的に早かったという幸運もあり、私が突貫工事で第1志望以下すべてに何とか合格させましたが、このケースも冷や汗ものでした。

3.「時間講師+集団授業」は要注意!
筆者もかつては所謂「大手予備校業界」にお世話になった人間です。その立場上「古巣の悪口」はあまり言いたくないのですが、おかしなところとタッグを組むのはいやですから実態だけはお伝えしておこうと思います。中学受験・高校受験と異なり、大学入試の予備校はその大半が「時間講師」の先生です。人件費が安く済む上に、「いつでも首を切れる」...というメリットもあります。実はこの点が「曲者」なのです。人気が出なかったり生徒数を減らしたりすると翌年から「お呼び」がかからなくなる。「成績を上げるため」の授業ではなく、「首にならないため」の授業をすることになるのです。「単語テスト」など、生徒が不快に感じることはやってはいけません。「生徒を指名して答えさせる」など論外です。もう一つは「危機感を煽る」授業です。受験になどまず出題されることのない「奇怪な構文・用法」などを捜してきて、「おや?こんなことも知らないの?私の授業受けててよかったねー!お友達にも知らせてあげなよ!その子も私のクラスに移ったら?」とやる方法です。これにはかなり優秀な生徒さんでもひっかかります。できない子などはイチコロです。真面目にやっている先生が浮かばれません。受験生の心の不安につけ込むという意味ではある種の「新興宗教」・「霊感商法」と同じです。奇抜な服装や言動で生徒をひきつける予備校講師が多いのも、そういった「止むに止まれぬ事情(?)」があるわけです。彼らも生き残りをかけて必死なのです。

「先生!私、大学に行けないんですか!?」と泣き出してしまった女の子もおりました。よく見ると明らかに「こんなもの、できるわけないじゃないか!」という教材を使っています。「やればやるほどできなくなる」というやつです。「力なき者は去れ!」などと言われた生徒もいたようです。「力があったらこんな所にいないよ!」と言いたくなります。まったくひどい話です。そんな世界につくづく嫌気がさした筆者は「足を洗う」ことにしたのです。無論立派な先生・熱意のある先生もたくさんいらっしゃいますからこれは誤解のないように申し上げておきます。好き好んで「生徒を落としてやろう...」などと考える先生がいるはずもありません。「子供がパンを求めるのに石を与える親がどこにいよう?」と新約聖書の福音書にもある通りです。しかしそういった地道な先生は、決して高い評価を得ることはないのです。かえすがえすも残念でなりません。「個別指導」や「家庭教師」であれば評価基準は「成績のみ」。スタンド・プレーの必要などないわけです。筆者がこれらのシステムを薦める所以(ゆえん)です。また集団授業でも「専任講師」の先生であればこの限りではないことを付け加えておきたいと思います。

4.単語テストのない予備校は「×」!
「先生がどれだけ一生懸命教えてくれているか」の一つの基準として「単語テストの有無」があげられます。生徒は無論単語テストなどやりたくありません。しかしそれに迎合してしまうような先生では困ります。「単語暗記は語学の基本」です。それを無視して一体何を教えようというのでしょう。これには筆者も苦い思い出があります。ある予備校で時間講師をしていたころのこと。当然のことだと思いクラスで単語テストを実施しました。と、次の授業で生徒の数が何と半分になってしまったのです。次の回にはさらに半分に!さらに上から「鈴木先生、単語テストはやらないでください。生徒たちに負担がかかります。」と畳みかけられる始末でした。「は?」と一瞬「目が点」になりました。この人は自分が何を言っているのか分かっていたのでしょうか。しかしこれが大半の大学受験の予備校の姿なのです。高校受験の塾で「ウチは単語テストはやりません。」などと言ったら誰も入会しないでしょう。国語の漢字テストも然り...です。最近では多少改善されたという話も聞きますが、それでも大同小異でしょう。「三つ子の魂なんとやら...」と申します。毎回単語テストが必ずあり、叱咤激励してくれる塾・予備校であればまず信頼して間違いはないと思います。さて最後に残った四分の一ほどの生徒さんたちですが、逆に「先生の授業は緊張感があっていい!」と言ってくれました。彼らが最後まで私の授業を取り、合格していったことは言うまでもありません。もっとも中には「単語クラスは別料金」などというちゃっかりした予備校もあるようですから注意が必要です。単語テストでお金を取ろうなどとは、一体どういう了見でしょう。時間がなければ授業時間を10分・15分延長すればすむ話です。

5.多少割高でも「個別指導」か「家庭教師」を...
個別指導」といえば「補習塾」というイメージがすっかり定着してしまいましたがそれはここ数十年の話です。元来は「英才教育」の手段でした。歴史上の英雄・天才はすべて家庭教師についたはずです。アリストテレスに師事したアレクサンドロス大王然り、太原崇孚雪斎に師事した竹千代(徳川家康)然り。セネカに師事したネロ帝然り(これはちょっと例が悪かったかも知れませんが...)。エジソンも母親が家庭教師となって教育しています。また必ずしも学生バイトがダメとは限りません。力のある先生はいくらでもいるからです。要は「先生次第」です。「この先生ダメだ!」と思ったら替えてもらえばいいだけの話。利用方法はすでに書いたとおり。「分からない箇所だけをピン・ポイントで聞く・鍛えてもらう。」ということです。上記のKさんも、理科で他の個別塾をかけもちしておりました。大学生のアルバイトとかで「大丈夫かな?」と最初は疑心暗鬼でしたが、本人がいたく気に入っていたのでそれ以上はふれませんでした。結局受験した大学のすべてに合格したということは、それなりの力量を備えていた先生であったということだと思います。またどうしても集団授業を受ける場合は、「○○先生の夏期集中△△講座」というように、ポイントを絞って受講することです。自分自身の弱点を熟知し、課題意識を持っての受講ですから「おいてきぼり」になることもないでしょうし、先生の「身元」もはっきりしているからです。もっとも名の売れた先生となると、授業に空席があるかどうか...という問題は残りますが。


にほんブログ村 英語ブログ 英語講師・教師へ