去る4月21日(日)に「日曜インテンシブ特別講座」が開講されました。第1回は「模擬試験・受験の薦め」です。前半は「模試が何故重要か?」「その模試でどうやって点数を伸ばすか?」について説明しました。後半は「ミニ模試」を30分程度でやってもらい点数を出しましたが、前半の話の内容をまとめたものを、来校できなかった生徒さんのためにHPの筆者のブログにアップしました。興味のある方はこれも参考にしてください。ただしこれは生徒さんに呼びかける形をとっていますので、JUKENの文体とは趣が異なります点ご了承ください。

目次
  1. 模試は必ず受けること。
  2. 結果は必ず報告すること。
  3. ペース配分に注意。
  4. 長文読解の注意。(4択編)
  5. 文法の注意。
  6. 英作文の注意。
  7. 和文英訳の注意。
日曜インテンシブ特別講座:模試を受ける上での注意事項(英語編)

1.模試は必ず受けること
全国での自分の位置が確認できる。高2以上になったら学校内での順位などどうでもいい。受験生諸君は学校外の相手とやりあうのだ。また場数を踏むことで自分が緊張するタイプかどうかがわかる。6年間入試を受けていなかった諸君にはこれは結構重要。極度に緊張するタイプであったために受験に失敗した先輩もいる。もしそうなら早めに手を打つにしくはない。また自分の受験科目を知らなかったがために国立を棒に振った先輩も...。JUKENのバック・ナンバーはHPから閲覧できるのですべて読んでおくこと。

2.結果は必ず報告すること
結果が返却されてもデータを読み取れない人が多い。たとえば自分の点数(素点)など見ても何の意味もない。受験は「相対評価」。「あなたがいくらできなくても、周りがもっとできなければ結局あなたが受かるのだ。」とかつてJUKENに書いた。従って真っ先に見るべきは「偏差値」だ。これが定期試験との違いである。また「偏差値」の意味がよくわかっていない人も、実は結構いるらしい。「聞くは一時の恥。聞かぬは一生の恥。」と諺にもある。早めに担当の先生に確認しておくこと。また「科目のバランスの重要性(バランスが崩れたらまず受からない)」・「判定の意味(春の時点ではE判定が当たり前)」などの読み方も同様だ。

3.ペース配分に注意
長文は文法より配点が高い。実際の入試では長文の比重が高いので文法だけ攻略しても点数が上がらない。センター試験を例に取れば、文法が2点に対して長文が6点という見当だ。従って時間内にどう長文を攻略するかが鍵となる。5でも書いたが、「文法」をできる限り早く仕上げて「長文」・「英作文」に豊富な時間を投入することだ。

4.長文読解の注意。(4択編)
「ひっかけ」の選択肢にひっかからないこと。4つとも「それらしいこと」が書いてある。早い話が「振り込め詐欺」だ。必ず文中で「裏を取る」こと。当然のことながら文章には夥しい書き込みが残ることとなる。問題用紙に何の書き込みも残らない人がよくいるが、まず答案は「全滅」だと考えて間違いない。英検2級を取った人はこのコツを教わったはず。受験も同じことだ。

5.文法の注意
既に書いたことだが、「文法」は配点が軽いのであまり考え込まないこと。とくにセンターなどでは長文を読む時間がなくなり大変なことになる。また文法は「知識分野」なので、知らなければいくら考えてもどうしようもないことが多い。「英作文」や「和文英訳」が優先だ。

6.英作文の注意
受験生最大の「鬼門」がこの「英作文」だ。日本の子どもたちは「叱られて育てられる」ので「どうせオレなんて...」というタイプが多い(アメリカ人は"褒めて育てる"らしい。それはそれでまた問題だが...)。勢い「どうせオレの英文なんて...」となる。またふだんは集団授業中心ゆえ受身となり、自分の意見を言う機会も少ない。しかし英作文は「書くだけ」で結構点数がもらえるのだ。また「自分の書いた英文など見たくない!」と目をそむける人が多いが、実際には結構いい線まで書けていることが多い。あとは「訂正」だ。「三単現のs」・「主語・動詞の一致」・「?マーク」・「edのつけ方」・「中学レベルの単語のスペル・ミス」など、些細なところで失点している。英作文は「減点法」だからこれでは点数がなくなってしまう。いずれにせよ、文法問題2~3問分くらいの点数はここで楽に稼げるから諦めないこと。大切なことは①「必ず何か書く」②「必ず見直しをする」。この2点だ。またこれは逆に自信過剰な生徒に見られる傾向だが、知ったかぶりしてやたら高度な表現を使う人がいる。先にも述べたが英作文は「減点法」。故に「ドラゴン桜」にもあるように「いくら高度な文章を書いても1点も加算されることはない」のだ。逆にミスがあれば容赦なく減点される。3つ目の困ったタイプは、「英作文を発明してしまう」というタイプだ。「どうしてこれじゃダメなんですか?」と食い下がる人がいる。しかし「白虎隊」風に言えば、「ダメなものはダメ」なのだ。いくら理屈が通っていても、「そういう表現は使わない」となったら「×」なのである。これが理系科目と違う点だ。語学は「物まね」なのだ。自分勝手に英文を発明されては困るのである。例えば「弘法も筆の誤り」という諺がある。「Kobo(弘法)」と書いても「Kukai(空海)」と書いても相手には無論通じない。あちらでは「Homer(ホメロス)」を使うのだ。「筆の誤り」も「writing」だの「mistake」だのを使ってもダメで「nod(舟を漕ぐ・うたたねする)」にしなくてはならない。ではどのような文章を書けばいいのか。使徒パウロは生涯独身だったようで、「人間一人でいられるのであれば、それが一番いい。」と言っている。それ風に言えば「英作文は中学英語で事足りれば、それが一番いい。」ということだ。実際にはそうも言っておれないのだが、いずれにしても英作文は「意外においしい」ということを肝に銘じてほしい。

7.和文英訳の注意
英作文と同じでこれも結構配点が高いし、書けば必ず点数になる。特に日本の学生は「文法偏重」だから「長文」に弱い。長文を読んでいると「この文わからないな。イヤだな。」と思う文にしばしば出会う。そんな文には決まってアンダー・ラインが引いてあるはずだ。「まさか和訳じゃあるまいな。選択問題であってくれ!」と、おそるおそる設問に目をやると決まって「下線部を和訳せよ」とある。「ああ!神様はなんて意地悪なんだろう!」と預言者ヨブさながら受験生は天を仰ぐわけだ。しかし「物は考えよう」だ。「難しい問題」こそ「差をつけられる問題」だと心得よ。ただし対策としては残念ながら「普段から和訳の練習をしっかりやっておくこと」しかない。英語は「カップ・ラーメン」ではないのだ。


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