「クラブも引退。連休明けからいよいよ受験勉強のスパートを...」と考えている受験生諸君も多かろうと思います。「先んずれば人を制す」。頑張ってください。しかし折角の頑張りも、方向性を誤ると徒労に終わりかねません。そこで受験勉強を本格化させるにつき、老婆心ながら2~3注意点を列挙したいと思います。

英語は主戦場ではない

「英語は主戦場ではない」。いささかショッキングな台詞ですが、かつて一世を風靡した受験漫画「ドラゴン桜」の有名な一節です。「私は英語ができないから上位大学は無理...」「私は英語ができるから受験は楽勝...」などと決め付けていませんか?  実はこれ、全く「根拠のない話」。理由は簡単。英語も数学も、はたまた理科であろうと社会であろうと、どれも「同じ1点」だからです。しかし世はアングロ・サクソン全盛時代。今年の大河ドラマではありませんが、「英語ができなければ人ではない!」といわんばかりの風潮です。できないよりはできた方がいいのは当然です。しかしできなくても決して諦めるには及びません。まずは自分の得意科目を伸ばしてください。すべてはそこから始まります。また英語ができる生徒さんとて油断は禁物。他教科が振るわなければ1~2ランク下の大学にしか合格しないということを肝に銘じてください。英語はあくまで「必要条件の一つ」であって、決して「十分条件」ではありません。これまた大河ドラマ風にいえば「驕れる者は久しからず」といったところでしょうか。要は「科目のバランスが大切」...ということです。

実例は物語る①

「英語の茗渓」ということで、英語のできる生徒さんは大勢いらっしゃいます。中には下手な英語の先生を凌駕するであろうレベルの生徒さんも...。しかしいざ大学受験となると毎年頭痛の種は尽きません。元凶は「科目のアンバランス」です。そこで過去の生徒さんの例を挙げさせていただき、「いかに科目のアンバランスが恐ろしい結果を招くか...」をお伝えしたいと思います。

鈴木がまだ駆け出しのころ。かれこれ四半世紀も昔の話です。ある帰国子女の生徒さん(Kさん)がおりました。英語圏からの帰国でしたから、英語力は模試などで折り紙つきです。しかし滑り止めで受験した大学(M大学:偏差値50前後)が何と不合格となってしまったのです。まだ駆け出しで事情がよく呑み込めない鈴木は目の前が真っ暗になり、あたふたと2次募集を探し始める狼狽ぶりでした。しかしその直後、今度は「慶應大学」の「総合政策」・「環境情報」の2学部(偏差値73程度)から立て続けに「吉報」です。「どっちに行ったらいいのー!?」と、今度は一転「贅沢な悩み」です。どうしてこんな現象が起きたのでしょう。それは「英語への過信」です。いかに帰国子女と雖も「101点は取れない」のです。大して差をつけられないままに「国語と社会で逆転」されてしまった...というわけです。サッカーの試合でも、90分間ボールを支配して圧倒的に攻め込みながら決め切れず、たったワン・チャンスをものにされて敗北する例はよく見かけますが、そんなものと考えればいいでしょう。バリバリの帰国子女ですら受験校の選択次第でこの有様です。ちょっとやそっと英語ができるだけで天狗になることが、如何に恐ろしいことかが分かるでしょう。これは極端な例ですが、似たような事例は25年を経過した今現在でも毎年起こっているのです。

ではどうすれば?...→苦手科目から目をそらすな!

「貧しき者は幸いである。天国は彼らのものである。」と新約聖書にありますが、それ風に言えば「英語の苦手な者は幸いである。茗渓は彼らのものである。」とでもなるでしょうか。英語の苦手な生徒さんは担当の先生に相談して英語を伸ばしてもらえばいいのです。その際担当の先生の指示を忠実に守ってください。また「日曜インテンシブ」「夏期スーパーインテンシブ」は必須です。これまで来校できなかった生徒さんも、日曜はもう自由に使えるはずです。かく言う鈴木も隔週で日曜は吉祥寺教室に詰めておりますが、既に一部の生徒さんは本格的な受験勉強を開始しています。これまで参加できなかった生徒さんも、どんどん参加してください。自習室としての活用もできますし、相談してくれれば指導も行います。

問題は「理科・社会」です。「物理」「化学」「生物」が苦手な生徒さんは、平石石井両先生に相談してください。特に理系にとっては「理科が主戦場」となります。「医学部・薬学部志望なのになぜか英語の方が得意。英語ばかりやっている。」という生徒さんは、むしろ「要注意!」です。「社会」に関しては日本史は佐藤潔先生が、世界史は鈴木が担当します。紙面の関係でこれ以上は別の機会に譲りますが、こちらも日曜インテンシブにて相談してください。それでは受験生諸君。元気を出していきましょう!!


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