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  プログレスの成り立ちと内容

  フリン先生の思い出
 
今年お亡くなりになったフリン先生の足跡をたどり、私のオマージュとします…
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◎出席

ロバート・M・フリン Robert M. Flynn

▼1920年ニューヨーク市生まれ。カトリック、イエズス会の私立高等学校(4年制)を卒業後、イエズス会の修道会に入る、フォーダム大学(ニューヨーク市、2年間、文学専攻)セントルイス大学(ミズーリ州、3年間、哲学専攻)で学ぶ。卒業後、ニューヨークの高校で英語、ラテン語、ギリシャ語、宗教を3年間教え、ベルギーとドイツに留学して神学を勉強する。

▼1952年、神父として来日。イエズス会のミッション・スクール六甲学院(神戸)泰星学院(福岡)で35年間英語を教え、その指導実践のなかから、オーラル・コグニティブ・アプローチに基づいた教科書『プログレス・イン・イングリッシュ』全6巻を著す。現在は、津和野カトリック教会司祭。

 

長谷川 潔

▼1927年横浜市生まれ。立教大学卒業後、1953年アメリカに留学。バルパレイゾ大学文学部卒。カリフォルニア大学大学院、南カリフォルニア大学大学院で学ぶ。帰国後、NHKの国際局に5年間勤務し、外国向けのニュースを書く。その後、お茶の水女子大学教授、横浜国立大学教授、湘南国際女子短期大学教授を経て、現在は関東学院大学教授。専門は英語学、英語教育学、日英語比較、マスコミのことば。

▼また、大学での仕事とともに、長年、NHKテレビ「英語会話」NHKラジオ「高校講座」文化放送「大学受験講座」の英語教師を務める。編著書は、『プロシード英和辞典』『プロシード和英辞典』(福武書店)「英和中辞典』(旺文社)『やさしい英会話』(三笠書房)『英語上達コース』(岩波書店)『放送英語の利用法』(大修館書店)をはじめ、教科書、研究書、受験参考書など多数。

 

高木 春彦

▼1945年愛知県生まれ。東京教育大学(現筑波大)文学部卒、同大学院博士課程修了。Macquarie University 修士取得。文京書房編集長、静岡大学講師、東京教育大学講師、茗渓塾塾長などを経て、現在、茗渓予備校代表。

 

 

 

 

 

 

長谷川先生−「フリン先生が『プログレス』の教科書を最初にお書きになったのはいつ頃ですか」

フリン先生−「30年ぐらい前でしょうか。1960年代の後半にブック6まで書き終えました」

長谷川先生−「その時には神戸の六甲中学・高校で教えられていたのですね」

フリン先生−「六甲で最初に教えたのは1954年の第17期生で、この時の生徒たちは、先日同窓会がありましたが、今はもう56〜57歳になっています。1つの学年を中1から高3まで持ち上げて教えました。だから、第17期生が卒業して一巡してからは、次の中学1年生になった23期生を教えました。

       そうやって、最初に教えた学年が高2になった1958年の夏休みには、河口湖でイエズス会の兄弟校である六甲・栄光学院・広島学院の3つの学校の英語科の先生たちが集まってセミナーを開きました。そのセミナーで講師になった先生は、2人ともミシガン大学に留学してチャールズ・フリーズ先生のもとで研究して日本に帰ってきた上智大学の先生方でした。だから、河口湖で行われたセミナーでは、ミシガン大学で提唱され実践された外国語教授法であるミシガン・メソッドのオーラル・アプローチ(口頭教授法)などのガイダンスをしていただきました」

長谷川先生「この『プログレス』を読ませていただくと、フリン先生の教授法はオーラル・アプローチを改善したオーラル・コグニティブ・アプローチ(知的な口頭教授法)になるのではないでしょうか」

フリン先生−「そうです。しかし、それは次の第二の段階になります。河口湖のセミナーでガイダンスを受けて、次の学年の高3を教えることになりました。高校生も3年生になると、部活動もないし、希望者のためにやっていた放課後の宗教の時間もなくなったので、私も案外と時間ができるようになりました。

       そこで、当時、神戸にあったアメリカ文化センター(今は東京と大阪にしかありませんが)へ通って勉強することにしました。そこの図書館にはミシガン・メソッドについての本がたくさん置いてあったのです。スペイン系の人に英語を教えるためのミシガン・メソッドに基づいた教科書もありました。高3を教えている1年間に、そういう本を35冊ぐらい読んで、ミシガン・メソッドをのみ込み、その結果を次の中1を担当する時に生かそうとしました」

長谷川先生−「その時はまだ『プログレス』は存在していなかったのですね」

フリン先生−「その当時は、兄弟校である栄光学園校長のグスタフ・フォス先生が作った『イングリッシュ・アワー』という教科書を使っていました。しかし、それは昔ながらのグラマー・トランスレーションのアプローチ(文法と翻訳に重点をおいた外国語教授法)でできた教科書で、オーラル・アプローチは全然入っていませんでした。だから、私たちは『イングリッシュ・アワー』を使いながら、少しずつオーラル・アプローチを導入するために、パターン・プラクティス(文型練習)のプリントを作りました。

       同時に、最初の中間考査が終わってから、その考査の結果で一番実力のある20人を、週に3回朝礼の前に招待しました。私は学校に住んでいましたので、その学校の部屋に集めて30分ほどオーラル・アプローチを使って勉強したのです。それは実験室みたいでした(笑い)。そうやって、実際に使いながら教授法を覚えました。それでプリントも作ったのです。

       そして、どういう経路だったかは分かりませんが、三重県の津市にある学校の先生が私のプリントを手に入れたんです。彼女は、自分の学校やほかの私立学校でそのプリントを使ってもいいかどうかを尋ねてきましたので、私は『OK』と応えました。それで、三重県の聖ヨゼフ女子学園、京都のノートルダム女学院、伏見の聖母学院、それから京都の洛星が使うことになりました」

高木代表 −「それは、まだ本になる前のプリントの状態だったのですね」

フリン先生−「そうです。『イングリッシュ・アワー』を補い、オーラル・アプローチを生かすためのプリントとして使っていました」

高木代表 −「その内容は、今の『プログレス』の中に盛り込んであるのですね」

フリン先生−「それが出発でした。今話しましたように、まもなく、プリントを使う学校は六甲も入れると5校になり、その学校の先生たちが定期的に集まって研究会を開くようになりました。そして彼らは、栄光学園の『イングリッシュ・アワー』を補うプリントよりも、独自の教科書を作ってくれませんかと私に頼んできました」

長谷川先生−「そうやって、『プログレス』ができたのですか。それから改訂版としての『ニュー・プログレス』ができたんですね」

フリン先生−「そうです。『プログレス』はブック1が終われば、ブック2が必要ですから、毎年次の学年用を準備しなければなりませんでした。初めはブク3まで、中学校だけのために作るつもりでした。だからブック3までで文法の基本はほとんど入れました」

長谷川先生−「名前をまた元の『プログレス』に戻すというお話も聞いていますが」

フリン先生−「そう。今ソニーのCDリピーター用ソフトのためのブック1が大体できてきています。ブック1は全面改訂するつもりでいましたが、あまり変わっていません。後ろにある2つのレッスンを少し短くし、リピーターのための番号を各ぺ一ジのマージンの中の該当箇所に小さく入れました。広島学院の井坂先生は六甲での私の教え子なのですが、機械に強く、リピーターに合うように問題を変えてくれました。私は新しい時代が来ても、パソコンとか機械はとても扱えません(笑い)。」

 

 ブック3までに文法事項を網羅する

 

高木代表 −「先生が作られた『プログレス』は、中学校3年間ではかなり使われていますが、高校になりますと、検定教科書のほうに流れていくような傾向もあるようですね」

フリン先生−「どのくらいの学校かは分かりませんが、ある学校では中学で『プログレス』のブック3までを使い、高等学校では普通の出版社の教科書を使っています」

高木代表 −「話法も仮定法も入っているので、ブック3までやれば、文法は体系的に身につくようになっていますね」

フリン先生−「そうです。ブック2は改訂しましたが、ブック3はまだあまり改訂はしていません。ブック3については、ある先生は、仮定法の条件文を高等学校に回したらいいのではないかと言っていました。しかし、そうすると、ブック3の終わりまでに文

法の全体を教えることができなくなるわけです」

長谷川先生−「『プログレス』という教科書は、使う側の事情に合わせて、いろんな進度で使え

ると思いますね」

フリン先生−「そう。一歩一歩進めれば、ブック1全部を1年で終わらなくてもいいと思います」

長谷川先生−「ブック1とブック2を3年かけてやってもかまわないと思いますね」

 

帰国女子と『プログレス』
 

 

 

 

 

長谷川先生−「私は1973年から74年にかけて、フルブライトの交換教授としてアメリカ人の大学院生に日本語を教えに行ったことがありますが、その時に4歳と6歳の息子を連れていったんです。6歳の子は向こうの小学校に、4歳の子は幼稚園に入れました。6歳の子はその時に覚えた発音が今でも残っているんですね。だから、とてもきれいな発音で英語を話すんです。下の4歳だった子供は日本に帰ってきてから、中学校の英語の先生とうまくいかなくなって英語が嫌いになってしまいました。上の子供も、『中学校の先生の英語と、向こうで習った英語と少し違うから』と言うんです(笑い)。大学に入ってからは、外国人の先生のクラスに出ていました」

フリン先生−「そうですか。では英語の先生たちに注意しておきます。ただ、アメリカとイギリスに、さらに、地方によっても発音は違いますから、日本の中学・高校の英語の先生の発音が、向こうで学んだものと少し違っていても悪いということではないと思います」

長谷川先生−「悪いと言うわけではないですからね。つまり、相手にわかる英語ならば日本人の発音でもいいんですよね。英語を話す人には、いろいろな人がいて、それぞれが少しずつ違う英語を使っています。それでも、お互いにその言っていることがわかれば、それでいいのです。しかし、いろいろな表現に関して、日本では教科書の通りにしないと×にしてしまうわけです。教科書通りでなくても正しいこともあるわけですが、教科書通りに書いてないと×になってしまう。だから、上の子供も英語の成績は意外と悪かったんです。でも、ずっと英語を続けていましたから、TOEICとかTOEFLのテストはすごく点が高くて、600点以上取っているんです」

フリン先生−「それはすごい」

長谷川先生−「しかし、学校の英語の成績は5段階の3ぐらいなんです。これは少しおかしいことではないかと思うんですね」

フリン先生−「それは、ちょっと辛いですね」

高木代表 −「そういう事例というのはあるんですね」

長谷川先生−「私は長い間、大学で教えているのですが、この頃は帰国子女が多くなってきています。そういう人が意外と英語の点数がよくないんですね。しかし一方では、外国で学んできたことをうまく生かして、日本に帰ってからも英語を続け、英語がものすごくよくできる学生もいます。生徒の資質と教師の教え方にもよるでしょう」

高木代表 −「東京の中学・高校で『プログレス』を使っている学校を回りましたが、その中のある学校では帰国子女だけの40人ぐらいの国際学級が1クラスあって、そのクラスでは週6時間、『プログレス』だけを使って教えています。英語科の先生にお聞きしましたら、中3で英検1級に合格する事例もあるというのです。この国際学級では、中3でブック4まで進むというほど徹底してやっていて、冗談でおっしゃったのでしょうが、教えている英語の先生自身が、子供たちに自慢できるのは日本語だけだとおっしゃるぐらいです(笑い)。英語の力が抜群の生徒をさらに伸ばしてやりたいということで、『プログレス』を積極的にかつ有効に使っておられるように聞きました」

 

コンストラクティブ・グラマーとシチュエーショナル・グラマー
 

 

 

 

長谷川先生−「ブック2はアメリカ、ブック3はイギリスを題材にしていますね。ところがブック4は発想別の構成になっています。コマンド(命令)とかパミッション(許し)についての表現が物語やエッセイの中に出てきます」

フリン先生−「そうですね。ブック4のテーマはRoads(道)になっていますが、グラマーはいわゆるシチュエーショナル・グラマー(状況を踏まえた文法)になっています」

長谷川先生−「そう、シチュエーショナル・グラマーですね。人間の考えや感じを主体にした言い方を発想別の表現と言っているんです。それはいろいろなシチュエーションに利用できますから、そういう意味ではシチュエーショナル・グラマーということになりますね。私が編集者の一人になっている『プロシード英和辞典』と『プロシード和英辞典』(福武書店)もシチュエーシュナル・グラマーを採り入れています」

フリン先生−「ブック1から3までの文法は、普通のコンストラクティブなグラマーです。つまり、名詞や動詞などの形や文章を作るための並び方を教えます。ところが、ブック4を作る時に、私は一つの心理的な問題に直面しなければなりませんでした。というのは、新しく高校生になる段階で、中学校で『プログレス』を使ってこなかった生徒は、いろいろな文法事項を教えてもらわなければなりませんが、他方、『プログレス』を中学校で使ってきた生徒にとっては、高等学校に入ってもまったく同じ立場から文法を復習するのであれば退屈になるだろうということです。そういうことを考えて、ブック4では、ブック3までとは違う立場から教えようと思いまして、状況に応じてどんな文型を使うかというふうに説明します。状況といっても、話し手の心理的な状況を意味します―命令や禁止、感謝やお詫び、いろいろな気持ちの表現法などです。

       また、ブック4のテーマはRoadsと言いましたが、日本では武士道や華道や茶道のように、Roadsという言葉を広い意味で使います―文字通りの道だけでなく、旅や心の道や化学の道などのように。ブック2と3に引き続いて、ブック4にはフィリピンや中東や昔のギリシャなどについての題材を入れ、他の国に対する心を養います」

長谷川先生−「ブック4にはマザー・テレサの話もありますね」

フリン先生−「そう。そしてブック5にはガンジーもあります。また、イギリスの芸術家のことや、昔のギリシャの話も少しあります。それから、国と国との考え方・感じ方の差を取りあげ、ほかの国や人に対する心を育てるつもりで作ったのがブック5で、Character and Beauty(人格と美)とサブタイトルを付けました」

長谷川先生−「リンカーン大統領のGettysburg Addressも入っていますね。民主主義の基本である『人民の人民による人民のための政治』という言葉が語られたことで有名な。高校でブック5までやるわけですか」

フリン先生−「そうですね。理想的にはブック5の終わりまではやってほしいですね」

 

大学入試準備用のブック6
 

 

 

 


高木代表 −「そうしますと、ブック6の位置付けはどのように考えられているのですか」

フリン先生−「ブック6はある意味では予備校的な観点から、つまり大学入試の準備用として書かれたといってもいいかと思います。同時に、教育上何か意義のあるリーディング(読書)をさせたいということです」

高木代表 −「ブック6の題材はいろいろなところから集められていますね」

フリン先生−「ブック6は現在改訂中です。新年度は半分以上の内容が新しくなります」

高木代表 −「ブック6を半分も作り変えておられるのですか。それは楽しみですね」

フリン先生−「多くは去年か一昨年の大学入試問題から採用しています。これは入試問題集を買ってきて、自分で研究して選びます。主眼を置いたのは、現代の最も重要な問題であるエコロジーとかサイエンスとかです」

長谷川先生−「ブック6では、各レッスンをA,B,C,Dの4つに分けてありますね」

フリン先生−「Aは文法のポイントを生かす難しい文章。Bはリーディングで、ある意味では一番大切です。最初のぺ一ジは短い文章で、徐々に長い文章になります。Cはいろいろな問題がありますが、現在は対話形式の問題が多くなっています。それからあとは単語の問題があります。同意語とか同じ意味の表現です。最後のほうには、1ぺ一ジだけですが、短い会話的な文章の英訳があります。例えば、『君がいなくなると寂しくなる』ならばI will (miss) you very much.とか、入り口での会話で『どうぞお先に』ならば(After)you, please.などです。( )の中に単語を入れさせます。それからさらにDとして1ぺ一ジが英作文です。そのなかには、新傾向の問題として長い英作文があります」

 

手作りで作ったプログレス
 

 

 

 

 


編集部  −『プログレス』という教科書は、その内容はもちろんのことですが、何となく暖かい感じを受けます。これはどのようにして制作されたからなのでしょうか」

フリン先生−「この座談会の初めの方でも話しましたが、『プログレス』の前身はオーラル・コグニティブ・アプローチを実践するためのプリント作りから始まりました。そのプリントを本にするという段階で、より体裁のよい原稿を作るために、ここにあるIBMのエレクトリック・コンポーザーという電動式のタイプライターを購入したのです(と言って部屋に置いてある機器を指差す)、日本語は別にして英語の部分の版下はすべてこのタイプライターで作り、それから写真を撮って印刷しました。発音記号は、売っているものはありませんでしたので、IBMに頼みましたが、作ってはくれませんでした。これは出版社に入れてもらいました」

長谷川先生−「私も以前こういうのを持ってました。文字のボールを変えて字体を変えるんです」

フリン先生−「(本のぺ一ジを広げて)この本のために5つの違う字体を使いました。ふつうはセンチュリーを使うことが多いのですが、例えば、このぺ一ジには一番使うのはこれで、その中に時々イタリックやゴシックもあります。それに大小があります」

高木代表 −「そうやって英文の版下を作って、印刷する時は出版社に渡すんですね」

フリン先生−「出版社は日本語を入れてくるんです」

長谷川先生−「すると、英作文の問題は初めに先生が英語で作ったのを日本語にするんですか」

フリン先生−「英作文は、いちばん初めはそうしました。しかし、広島学院の先生は、あまりにも英語臭い日本語だからということで(笑い)同じ意味の和文を作りました。だから、反対の問題が起こることもあります。その日本語が必ずしも私が注文した英語にならないんです(笑い)」

フリン先生−「だから、『ティーチャーズ・マニュアル』に比べると難しい。ほかには、ブック5、ブック6はほとんど大学入試の問題から取りました」

編集部  −「では、最後になりますが、先生が新しく作られた教科書に『プログレス』という名前を選んだのはどうしてですか」

フリン先生−「もちろん、当時出ている教科書の名前を調べて、重ならないようにしました。何か新しい名前を選びたかったのです。そして『PROGRESS=進む』という名前がいいのではないかと思いました。『PROGRESS  IN ENGLISH、英語で進め!』ということですね」                          

 

■プログレス改訂の中身
 

 

 

 

 

 平成10年夏期講習の最中、8月22日に、プログレスの著者ロバート・フリン神父とプログレスの改訂作業を終えられたばかりの広島学院のロバート・キエサ神父をお迎えして行われたセミナーに参加しました。以下は、当日のお二人の講演内容を概括したものです。

 フリン神父とは1年半ぶりの再会でした。津和野の町を車であちこち案内していただいたことが思い出されました。(記:高木) 

フリン先生
PROGRESS IN ENGKISH シリーズの誕生から今日まで
 

  冒頭で、PROGRESS IN ENGLISH の目的と方法を再確信する。

(1)人間教育(2)コミュニケーションの手段(3)大学への入学(『めいけい』66号参照P.3235)の心構え(mind-set)として、mechanicalcognitiveproblem solvingcommunicativeへ。つまりこれからのあたらしい展望として communicative approachを考えていく。(この指摘は今回の教育課程審議会の提案や、東大の入試傾向とも合致するものと考えられる/高木)

 具体的には、中1の段階でcommunicationの道具立てを会話表現を通して与える。また、教師も生徒もクラスルーム・イングリッシュをふんだんに使い、できるだけ英語漬けにする(I've a question. Please explain . Do you have any questions? etc.)と同時にspelling(綴り)も重視する。単語の小テストは必ず実行。

 さらに学年が進むに従い、dialogを使った音読、dramatic reading(表現読み)、英問英答、ボーナス問題(例えば、It was midnight. I heard a man knocking at the door.などという書き出しで、自由英作文を出題する。配点は臨機応変に加減)、漫画を使った英作文、その他、show and tell debate roll-playing report keeping a diary pen pal riddle(なぞなぞ)、 Eiken などいろいろな手段を講ずる。ここで、なぞなぞを一つ。I'm a man's mother. I'm the sun(son)'s child. Who am I?

 洛星高校(京都の進学校)では、毎年4日間のEnglish-campを行っている。中3と高1の生徒が1日5時間の特訓を実践。また、午前中の時間を使い、ボランティア活

動として2人1組で観光客のガイドを英語で行っているという。 

  首尾一貫communicative approach の重要性を強調しながら、実践的な提言があり、とても参考になりました。

 

 

キエサ神父
PROGRESS IN ENGKISH の改訂を終えて
 


 プログレスの歴史は、ENGLISH HOUR からプログレスに変わる時代、NEW

PROGRESS IN ENGLISHの時代、NEWがとれてPROGRESS IN ENGLISHに戻った現在と、3つの段階に分けられる。NEWをとれる代わりにLESSを付けようという冗談も飛びだしたとか。関東に広がったのは、第2段階でテープがつき栄光学園の勧めもあって雙葉が使い出してからという。

 その後、ソニーの平山さんの努力もあり、テープからCDに代わり、一枚のCDで18時間の録音が可能になったことは、画期的なことだった。教室用に作ったリピーターは当初手作りで、Black Boxと綽名された。

 CD化の段階で、Book124課がカットされ、その一部はBOOK2へ、BOOK2の最後の課に出てくる感覚動詞や使役動詞の受動態は、BOOK3の受動態のまとめに入れられた。BOOK3からBOOK6までは、キエサ神父がゴーストライターとして大幅に改訂作業を行ってきた。この改訂で2002年まではもつものと思われる。その後の改訂はまだ考えていない。

 改訂にあたっては、BOOK3に相当手を加えた。関係詞はかなり整理した。2課/関係代名詞 whoの所有格whose、関係代名詞thatの用法と省略、関係代名詞thatの慣用的用法。11課/前置詞を伴う関係代名詞、関係副詞。12課/先行詞を含む複合関係詞what。仮定法は、16課で願望を表す仮定法(I wish)だけに限定し、あとはブック4にまとめた。巻末の英作文はずいぶん難しくなった。(高木/しかし、おもしろい工夫が凝らされていて、英作の訓練に有効な手法が導入されていると思う。)高校2年生にやらせてみたが、出来が悪かった。

 語彙数を圧縮できないか検討してみたが、結局できなかった。信じられないかも知れないが、語彙表は、読みながら手作業で作成している。

 ブック4は、English Hour から改訂に合わせて取ってきたものが多い。旧版の6課を4,5課の前に持ってきて、仮定法のまとめをしっかりとやった。ブック4はカラーページを使ったが、まだまだ検定教科書には負けている。T/FQ/Aの問題を導入したり、単語の整理にWORD STUDYの欄を設けたりした。 ブック5にもいろいろな工夫を凝らした。教材にA FEARLESS WOMAN--AUNG SAN SUU KYIの話や地雷の話(BAN THE HIDDEN KILLERS)を入れている。また、9課では、和文英訳の心得(JAPANESE TO ENGLISH)にかなりのページを割いた。ブック4と同じく、それぞれの課の最後で語彙の整理(WORD STUDY)が行われている。

 巻末の歌の中に、阿川泰子(ジャズシンガー)が歌うWHEN YOU WISH UPON A STAR が入れられている。CDに録音した縁でデートの約束もできたのに、当日腰痛で入院の羽目になり実現できなかったエピソードなども披露された。ブック6は基本的には手を加えていないが、差別用語には配慮した。                                                                                    以上

 

自然なシチュエイション設定で英語圏文化の内容まで吸収できる構成

 BOOK1では、日常の自然なシチュエイションと「イソップ物語」を話題として、文法的には2年生の2学期頃までの内容を学習します。

BOOK2では、アメリカの生活や歴史を話題にして、文法的には中学3年生までのほとんどを終えます。残っているのは関係代名詞の一部だけで、文法単元によっては高校の内容にまで突っ込んで教えています。

BOOK3では、ほとんど高校生の内容になり、イギリスの文化や歴史が話題となっています。

BOOK4では、高校から入学してくる生徒たちのことを考慮し、BOOK1から3までの文法上の復習を兼ねながら、意見・感情表現・願望・条件・主張・説得といった発想別のアプローチが試みられています。

BOOK5では、リンカーン・ガンジーやギリシャ神話、国と国との考え方・感じ方の差についてなどが取り上げられています。

BOOK6は、大学入試の準備用として作られています。題材の多くは大学入試問題から採用されています。

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